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2011 年度 実績報告書

外生菌根共生における地下部菌糸体ネットワークと転流ドメインの形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21248018
研究機関東京大学

研究代表者

宝月 岱造  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10107170)

研究分担者 呉 炳雲  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10396814)
キーワード外生菌根菌 / 共生 / シンク能 / トレーサー実験 / 根外菌糸体 / 菌糸融合 / コメツガ / シラビソ
研究概要

外生菌根共生系では、個々の菌根から物理的に連絡した菌糸が伸長して、土壌中に菌糸体(初発菌糸体)が発達する。本研究の目的は、初発菌糸体間の相互作用と養分転流に着目し、菌糸体レベルでの菌根菌の実像に迫ることである。
1.菌糸体ネットワークの形成過程:昨年度までに、岩上に平面的に発達するコメツガ実生に菌根を形成している菌種が、10cm以下の小さな範囲でパッチ状に分布する傾向があることを明らかにした。今年度は、この点を別の実生でも確認するとともに、個々の菌種について、それが作る菌根の分布の偏りを統計的に検定した。その結果、パッチ状に分布する菌種の他に、比較的広く分布する菌種も混在していることが分かった。
2.転流駆動力:コツブタケ菌によるアカマツ菌根苗を根箱栽培して、根外菌糸体を平面的に発達させた。根外菌糸体を人工的に切断した後、宿主からの光合成産物がどのように根外菌糸体内で転流するかを、経時的にオートラジオグラフィーで追跡し、根外菌糸体内のシンク能分布を推定した。その結果、根外菌糸体内での光合成産物の転流パターンは、切断によってほとんど影響を受けないことが分かった。このことから、(1)光合成産物は、根外菌糸体内を縦横あらゆる方向に転流すること、(2)菌糸体内のあらゆる部分が等しく比較的均一な光合成産物に対するシンク能をもっていることが推定された。
3.根外菌糸体内のアミノ酸転流:根外菌糸体の養分転流のパターンの一つとして、根外菌糸体に^<14>C-アミノ酸を添加し、その転流パターンを、経時的オートラジオグラフィーによって調べた。その結果、添加部から菌根に向かって、ほぼ直線的にアミノ酸が移動することが分かった。このことから、菌根がアミノ酸に対して、極めて強いシンク能をもつことが推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Transfer of 14C-photosynthate to the sporocarp[]of an ectomycorrhizal fungus Laccaria amethystina2012

    • 著者名/発表者名
      Munemasa Teramoto
    • 雑誌名

      Mycorrhiza

      巻: 22 ページ: 219-225

    • DOI

      10.1007/s00572-011-0395-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural and functional interactions between extraradical mycelia of ectomycorrhizal Pisolithus isolates

    • 著者名/発表者名
      Bingyun Wu
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1111/j.1469-8137.2012.04126.x

    • 査読あり
  • [学会発表] 外生菌根根外菌糸から吸収されたアミノ酸由来の炭素は宿主へ受け渡されるか?2012

    • 著者名/発表者名
      寺本宗正・呉炳雲・宝月岱造
    • 学会等名
      第123回日本森林学会大会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      20120000
  • [学会発表] 露岩上に更新したコメツガ稚樹の根系における外生菌根菌の詳細分布と菌種の偏り2012

    • 著者名/発表者名
      吉田尚広
    • 学会等名
      第123回日本森林学会大会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2012-03-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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