研究課題
前鯛類におけるレチノイドX受容体(RXR)を介したインポセックスの誘導機構を解析した。イボニシRXR遺伝子に関する生物学的性状決定と、ペニス及び輸精管の分化・成長・形態形成との関係を解析する一環として、RXRサブタイプ及びその他の核内受容体の探索を行った結果、イボニシRXRには2つのアイソフォームが存在することを明らかにした。これらの配列を用いてレポータージーンアッセイを行った結果、9-cisレチノイン酸(9cRA)、トリブチルスズ(TBT)及びトリフェニルスズ(TPT)やRXR特異的アゴニストにより転写活性の誘導がみられた。また、これまでに我々が作成したイボニシRXRの特異抗体を用い、immuno-blotting法によりペニス組織でのRXRタンパクの発現解析も行った。前鯉類のRXR遺伝子の機能同定に関し、他種のRXR遺伝子を用いてレポータージーンアッセイ法による機能解析も行った。バイ及びヨーロッパチヂミボラよりRXR遺伝子を単離し9cRA、TBT、TPTなどを用いた転写活性誘導を調べた。イボニシから単離同定した神経ペプチドの前駆体遺伝子をクローニングし、APGWamide、Thais-enterin related peptides、Thais excitatory peptideの3種で2つの前駆体蛋白質の存在を明らかにし、それらの遺伝子のイボニシ中枢神経系における発現をin situ hybridization (ISH)法で再検討した。発現量が少ない前駆体遺伝子の発現解析のため、オリゴDNAプローブを用いたISHでは明確なシグナルが確認できなかったLeucokinin様ペプチド前駆体遺伝子についてRNAプローブを用いたISHを試みた。抗APGWamide抗体による免疫染色の結果、イボニシのペニスの輸精管に沿って走向する神経東内に免疫陽性の神経繊維があることがわかった。
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Aquatic Toxicology
巻: 103 ページ: 101-111