研究分担者 |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
金子 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (30466809)
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (00270926)
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (20314635)
長阪 玲子 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (90444132)
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研究概要 |
ニジマスにおいてアディポネクチン遺伝子の発現は主に筋肉でみられ,摂餌制限によってmRNA蓄積量が顕著に減少することが示された.マイクロアレイ法により,摂餌制限に伴ってアディポネクチン遺伝子とともに発現量が減少する遺伝子の解析を行ったところ,腹腔内脂肪で強く発現していたLymphocte G0/G1 switch protein遺伝子の発現が減少していることが示された.このことから,ニジマスアディポネクチン遺伝子は筋肉中の脂肪蓄積細胞で発現していることが考えられた. ニジマスの筋肉および肝臓において魚類アディポネクチンに対する特異的抗体を用いた免疫組織化学的染色法を行ったところ,アディポネクチン産生細胞は筋細胞間および肝実質細胞間に分布し,上述した結果を支持するものとなった. 米糠成分ガンマオリザノール(ORZ)によるニジマスおよびゼブラフィッシュの脂質代謝制御系に及ぼす影響を調べたところ,ORZ投与によってゼブラフィッシュ筋肉および肝臓でphosphofructokinase,glucose-6-phosphate dehydrogenase,phosphoglycerate kinase,alanine transaminase,aspartate aminotransferaseなどの遺伝子転写産物が著しく増大することが明らかになり,ORZの投与は魚類の糖質代謝亢進に有効であるものと考えられた.一方,脂肪酸合成に重要なfatty acid synthaseの遺伝子発現は誘導されなかった.昨年度の成果と併せて,ORZの投与は脂質および糖質の異化によるエネルギー生産を活性化することが明らかとなった.
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