研究課題
本研究では、これまでに明らかとしたMRP2の局在性を上昇させるシグナル伝達の関連因子に着目し、それら活性化、阻害剤及び利胆薬等を慢性肝炎モデルマウスにて、胆汁うっ滞の改善に伴う肝病態に対する影響を評価すると共に、ヒト肝スライス等を用いてヒトでの有効性を検証することを目的として研究を行った。本研究においては、モデルとして汎用されるLipopolysachalideの投与を行い、胆汁排泄輸送体の局在変化に関わる因子として膜裏打ちタンパク質であるRadixinとの結合が重要な因子であることを明らかとし、更にヒト及びラット肝スライスを用いて、酸化ストレスがヒトにおいても胆汁輸送体の局在に影響を与えていることを明らかとした。更に、Ethan DIGEを用いた2次元蛍光ディファレンシャル解析により胆汁輸送体の局在制御を担う可能性のある複数の蛋白質の同定に成功した。本年度の検討により得られたこれら結果は、そこで本研究では、これまでに明らかとしたMRP2の局在性を上昇させるシグナル伝達の関連因子についてEthan DIGEを用いた2次元蛍光ディファレンシャルの解析を行った結果、MRP2と新規に結合する蛋白質としてAnnexinA2を同定した。本蛋白質とMRP2との結合に関してGST-pull down assayにより検討を行ったところ、MRP2の局在の上昇時には、AnnexinA2と結合が減少が認められた。本検討における詳細な解析からAnnexinAが、MRP2を含む膜蛋白質の細胞内動態に関わる重要な因子であることを明らかとした。また、MRP2と同様に毛細胆管側膜に発現し胆汁うっ滞の生成に関わるBSEPの機能低下時において、培地中の胆汁酸に依存した毒性感受性の亢進することをヒト、ラット肝細胞Sandwich cultured hepatocyteにおいて見出した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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