研究課題
企画中の60%程度を本年中に途成した.以下.概要を述べる.(1) 精製VNUTの再構成系を用いて、VNUTのATP輸送活性の必須アミノ酸残基を2つ同定した.これはvesicular glutamate transporterの活性残基と相同なものであった。(2) 精製VNUTの再構成系を用いて、VNUTがヌクレオチドを輸送する過程で同時にCa2+イオンなどの二価金属カチオンを輸送することを見いだした。これは分泌小胞におけるvesicular Ca2+/Mg2+transporterの初めての同定である。(1)(2)の成果を合わせ、論文を準備中である.(3) VNUTの塩素イオン結合部位と相互作用するアニオンを同定した.これらのアニオンとATPの結合を測定する実験系を構築した。現在、このシステムと隅解析により、結合部位の同定を試みている.(4) 特筆すべきは、塩素イオンによる活性化がSLC17ファミリーに共通する性質であることを実証したことである。これにより塩素イオンにより化学伝達制御がATP分泌についても起こっていることを証明した(これらの成果は現在投稿中である)。(5) 神経とアストロサイトにおけるVNUT含有小胞を同定した.神経においては一部のsynaptic vesicleとdense-cored vesicleアストロサイトにおいてはdense-cored vesicleにVNUTが存在し機能していた.アストロサイトにおいてはこのAIP分泌が神経/アストロサイト相互作用の中核である証拠を得た(山梨大、小泉教授との共同研究)。(6) VNUTの抗体を用いて複数めATP含有小胞を同定した.(7) ショウジョウバエのVNUTを同定した。ノックダウンすると致死性となるラインがあることを発見した.ショウジョウバエにおいてはVNUTは脳神経系とともに唾液腺に高発現していた。(8) VNUTのKOmiceを確立した。(9) VNUTの結晶化は継続中
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http://www.pharm.okayama-u.ac.jp/lab/seika/