研究概要 |
1,結晶構造の解析 大腸菌大量発現精製法により調製した数十mgオーダーの活性型VNUT(野生型変異体)を用いて約1000の条件(界面活性剤・タンパク濃度など)で結晶作製を試みた。Eunnse blue存在下での実験で一応の成果あり、次年度に継続する。 2.分子機構 企画書に示したとおりアブラー配列を中心に10種類のバリン変異体を作製し,そのATP輸送能を測定した。その結果,ほとんどは野生型と同じ活性同じ塩素イオン要求性を示したが、一種類の塩素イオン感受性が変化していた。化学修飾法エネルギートランスファーにより活性部位のアミノ酸残基の一部の絶対距離を推定した。VNUTが2価金属イオントランスポーターとしても機能することを見いだした。 3.発現部位とその機能:VNUTのよいポリクローンおよびモノクローン抗体を作製した。β細胞、α細胞、血小板、T細胞、膀胱膜細胞などを見いだした。電子顕微鏡により局在をオルガネラレベルで決定した。血小板およびクローン細胞MEGOIにおけるVNUTの高発現を観察。そのATP蓄積とADP分泌に及ぼす意義を解明した。 4.VNUT KO miceの示す種々の行動・phenotypeを綱べた。確かにVNUTが欠失しているかどうかをRT-PCR Western blotならびにImmunohistochemistryで調べた。さらにクロマフィン細胞を調製しATP分泌能が失われている事を実証した。現在、論文を作製中である。
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