研究課題/領域番号 |
21249010
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
岡田 泰伸 生理学研究所, 所長 (10025661)
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研究分担者 |
岡田 俊昭 生理学研究所, 細胞器官研究系, 特任准教授 (00373283)
清水 貴浩 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (40353437)
尾野 亘 京都大学, 医学研究科, 講師 (00359275)
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キーワード | 容積感受性アニオンチャネル / マキシアニオンチャネル / 細胞容積調節 / アポトーシス / ネクローシス / 虚血性細胞死 / ATP放出 |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞生死スイッチに関与する2種のアニオンチャネル-容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)とマキシアニオンチャネル(Maxi-Cl)-と、それらのレギュレータの分子同定を行うこと、そしてそれによって細胞死の誘導と救済の分子メカニズム解明に道を拓くことにある。2010年度は、まず第1に、これまでアニオンチャネルやアニオン型ATPの放出チャネルの候補として報告されてきた種々の分子について、siRNAによる遺伝子サイレンシング法やHEK293細胞強制発現法を用いて検討した。その結果、TMEM16についてはVSORを持っている3種の細胞で共通して発現しているイソホームはBとFであったが、TMEM16BもFも共にVSORではなくCa^<2+>依存性アニオンチャネルであることを明らかにした。次に、パネキシン(Px)について検討したところ、ATP透過性Maxi-Clを持っているL929細胞にはPx1と2の2つのイソホームが発現していたが、そのいずれもがMaxi-Clを担う分子ではないことを明らかにした。次に、いくつかの細胞でVSOR様の性質を示すと報告されてきたClC3について検討し、今回新たにClC3Dイソホームをフルクローニングすることに成功した。しかしこのClC3DもVSORでもMaxi-Clでもないことを明らかにした。そこで、第2にMaxi-Clを多く含むブレッブ膜を選択的に集めて質量分析計解析を行い、MDR2などの候補蛋白質を数種ピックアップした。また第3に、Maxi-Clを持たない細胞種と多く持つ細胞種をマイクロアレイ解析し、それらの間で発現の大きく異なる蛋白質として、Cx43など数種の候補分子をピックアップした。更には第4に、ランダム遺伝子破壊レトロウイルス法を適用してATP放出能やアニオン透過性能が大きく低下している変異体を選択してMaxi-ClやVSORの探索を行い、AQP5など数種の候補膜蛋白質をピックアップし、次年度研究に備えた。
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