研究課題/領域番号 |
21249028
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
坪井 敬文 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (00188616)
|
研究分担者 |
竹尾 暁 杏林大学, 医学部, 准教授 (40302666)
澤崎 達也 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 准教授 (50314969)
|
キーワード | マラリア / レセプター / 感染症 / バイオテクノロジー / ゲノム |
研究概要 |
マラリア原虫メロゾイトの赤血球への侵入過程において、その先端部に存在するロプトリー、マイクロネーム、デンスグラニュールと呼ばれる細胞内小器官は赤血球へ侵入後に消失するため、侵入に必須の分子を含むと考えられている。この際、先端部小器官の原虫側リガンド分子が、赤血球表面又は侵入開始後に形成される寄生胞膜のレセプター分子と結合することが侵入に必須と考えられている。そこで、本研究では、マラリア原虫メロゾイトの先端部小器官に局在する新規分子を網羅的に同定すると共に、それらに対する赤血球側のレセプターをも網羅的に同定しくメロゾイトの赤血球侵入時の分子間相互作用の総体を明らかにすることを目的に実施した。 1.新規のメロゾイト先端部小器官分子の継続的探索 熱帯熱マラリア原虫先端部小器官分子のレパートリーを増加させるため、メロゾイト期に発現が見られる分子193種類をコムギ無細胞系にて合成し、すべてに対する抗体を作製した。その抗体の内、メロゾイト先端部小器官と反応するものを間接蛍光抗体法にて探索した。その結果、40種類の分子がメロゾイト先端部小器官に局在していることが示唆され、その内これまで先端部小器官への局在の報告が無いものが29種類も同定された。 2.赤血球結合能を有する新規マイクロネーム分子GAMAに対する赤血球レセプタータンパク質の探索 昨年度同定された新規マイクロネーム分子GAMAの赤血球レセプターを探索するため、先ず赤血球表面を各種の酵素で処理して、組換えGAMAの結合を調べた。その結果、GAMAはシアル酸非依存的に赤血球に結合し、タンパク質分解酵素処理赤血球には結合しないことより、タンパク質レセプターであることが示唆された。したがって、組換えGAMAタンパク質を用いてヒト赤血球タンパク質アレイをスクリーニングすることにより、GAMAレセプターの探索が可能と考えられた。
|