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2010 年度 実績報告書

動物モデルを用いた麻疹の病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21249032
研究機関九州大学

研究代表者

柳 雄介  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40182365)

キーワード麻疹ウイルス / 動物モデル / SLAM / 免疫抑制
研究概要

麻疹の病態を解明するために、麻疹ウイルスの受容体であるSLAMを発現するノックインマウスを用いて感染実験を行った。これまでに、SLAMノックインマウスをI型インターフェロン受容体(IFNAR)ノックアウトマウスと交配することにより、麻疹ウイルスが免疫系の細胞に感染し、リンパ球の減少、T細胞増殖反応の低下、抗体産生の低下、接触過敏反応の低下などヒトで見られるような免疫抑制が再現されることが判明した。免疫抑制が起こるメカニズムを調べるために、卵白アルブミンを認識するT細胞受容体を発現するトランスジェニックマウス(OT-IIマウス)をSLAMノックイン・IFNARノックアウトマウスと交配し、感染マウスにおけるCD4+ヘルパーT細胞、樹状細胞の機能を解析した。その結果、CD4+ヘルパーT細胞、樹状細胞両方の機能に抑制が見られ、それらが抗体産生低下の原因となっていると考えられた。ウイルス感染後に抗原(卵白アルブミン)で免疫する一次応答とは異なり、卵白アルブミンに対して既に免疫があるマウスに麻疹ウイルスを接種しても二次抗体産生には影響がなかった。細胞種特異的モノクローナル抗体を用いて、マウスからCD4+T細胞、CD8+T細胞、B細胞を除去した後に麻疹ウイルスを感染させると、CD8+T細胞を除いた時のみ体内のウイルス量が増加した。したがって、CD8+T細胞がウイルス排除に最も重要な役割を果たしていると考えられた。これらのマウスモデルでは、ウイルス感染や免疫抑制にもかかわらず、マウスが何らかの症状を示すことはなくウイルスは排除される。マウスにおけるウイルス増殖を促進するために、マウスIFNに対抗できるセンダイウイルスC蛋白質を発現する麻疹ウイルス感染系の構築を現在進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Measles virus-induced immunosuppression in SLAM knock-in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Koga R, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Virology

      巻: 84 ページ: 5360-5367

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス神経細胞の麻疹ウイルス感染2010

    • 著者名/発表者名
      古賀律子, 他
    • 学会等名
      第58回 日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島)
    • 年月日
      2010-11-08
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.kyushu-u.ac.jp/virus/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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