患者情報の信憑性を阻害する要因の検証に基づく病院情報システムの再構築

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21249035
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医療社会学
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 石川 澄 広島大学, 病院, 教授 (30168190)
• 研究分担者: 奥原 義保 高知大学, 医歯学系, 教授 (40233473) ; 合地 明 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (10186877) ; 木村 映善 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (20363244) ; 津久間 秀彦 広島大学, 病院, 准教授 (10222134) ; 田中 武志 広島大学, 病院, 助教 (40325197) ; 岩田 則和 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 講師 (00346537)
• 連携研究者: 石田 博 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (50176195) ; 横井 英人 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (50403788) ; 森川 富昭 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (30274244) ; 花田 英輔 島根大学, 医学部, 准教授 (90244095) ; 原 量宏 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (20010415) ; 井上 裕二 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (80213180) ; 太田 吉夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (30136006) ; 岡田 宏基 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (00243775) ; 森口 博基 徳島大学, 医学部附属病院, 教授 (50335808) ; 石原 謙 愛媛大学, 医学部附属病院, 教授 (20304610) ; 近藤 博史 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (70186857) ; 北添 康弘 高知大学, その他部局等, 名誉教授 (90112010) ; 畠山 豊 高知大学, 医歯学系, 准教授 (00376956) ; 渡部 輝明 高知大学, 医歯学系, 講師 (90325415) ; 中島 典昭 高知大学, 医歯学系, 助教 (00335928) ; 栗原 幸男 高知大学, 医歯学系, 教授 (00215071) ; 片岡 浩巳 高知大学, 医歯学系, 助教 (80398049) ; 岩崎 泰昌 広島大学, 病院, 講師 (50232666)
• 研究協力者: 野々村 辰彦 保健医療福祉情報システム工業会 ; 園田 武治 富士通株式会社 ; 中野 直樹 富士通株式会社 ; 稲岡 則子 日本アイ・ビー・エム株式会社 ; 堀 信浩 日本アイ・ビー・エム株式会社
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: HIS / 電子化カルテ / 一次利用 / 二次利用 / 医療安全 / 医療の質 / 信憑性

研究概要

現在の医療記録の電子化は記録を利用することを軽視していないか?電子医療記録の利用ができない、あるいは利用がしにくい要因を分析した結果、患者の診断・治療と評価のために蓄えられる情報の信憑性に問題があるのではないかと仮定した。年2回のワークショップに於ける議論や日本医療機能評価機構の情報機器・IT化部会の協力で行ったアンケート評価に基づき、情報の信憑性を阻害する因子をソフト的、ハード的、および人為的要因に分けて分析した。更に分析結果から「患者がどのようになったら良いのか」という医療のゴールに向かって診療と治療が行われる過程で「記録」にどのような要件と問題点が存在するかを検討した。
結果、電子医療記録の信憑性を阻害する要因は、次の4段階の構造モデルに分類された。すなわち、データレベルにおける「正確性」と「連続性」の確保を基盤とすること、データを系統別に分け長期にわたり視認できる「通覧性」を確保すること、そして目標達成にむけてその道筋を誰もが理解できる形で表現して「物語性」を確保すること、である。そしてモデルの各段階におけるソフト、ハード面、および人為的に複合する解決策の提案を行った。

研究成果

• [雑誌論文] Is E-Healthcare ChartContributory to Patient Safety? (2012)
  • 著者名/発表者名: Kiyomu Ishikawa
  • 雑誌名: Proceedings of the BIOSTEC 2012 ページ: 430-433
  • 査読あり
• [雑誌論文] Developing an ElectronicHealth Record for Intractable Diseases in Japan (2011)
  • 著者名/発表者名: Eizen Kimura
  • 雑誌名: Studies in Health Technology andInformatics Vol ページ: 255-259
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Framework for anAuthorization System with Spatial Reasoning Capacity to Improve RiskManage ment and Information Security inHealthcare (2011)
  • 著者名/発表者名: 3. Eizen Kimura
  • 雑誌名: IEEE/ IPSJ InternationalSymposium on Applications and the Internet 巻: 2-11 ページ: 587-591
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lessons learned from designing clinical data modeling fornational surveillance of intractabledisease in Japan (2011)
  • 著者名/発表者名: Eizen Kimura
  • 雑誌名: Proceedings of AMIA 2011Annual Symposium ページ: 1837-1837
  • 査読あり
• [雑誌論文] 「患者安全向上」と「後利用に役立つデータ蓄積」の観点からの病院情報システムの評価 (2011)
  • 著者名/発表者名: 津久間秀彦
  • 雑誌名: 医療情報学31巻 ページ: 145-148
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lessons learned fro mdesigning clinical data modeling for national surveillance of intractable disease in Japan (2011)
  • 著者名/発表者名: Eizen Kimura
  • 雑誌名: Proceedings of the AMIAAnnual Symposium ページ: 1837-1837
  • 査読あり
• [雑誌論文] Hospital In for mation Systems : are they sufficiently helpful for the management of patient safety? Valuable lessons from the Japaneseex perience (2010)
  • 著者名/発表者名: Kiyomu Ishikawa
  • 雑誌名: Proceedings of the 13th WorldCongress on Medical Informatics ページ: 1512-1512
  • 査読あり
• [雑誌論文] 医療記録の電子化は有害事象を少なくするか?日本の現状 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田中武志
  • 雑誌名: 医療情報学30巻 巻: No.5 ページ: 261-270
  • 査読あり
• [雑誌論文] 疫学的研究の基盤としてのopenEHR利活用に向けた検討～臨床個人調査票のarchetypeへのモデリングを通して (2010)
  • 著者名/発表者名: 木村映善
  • 雑誌名: 医療情報学30巻 巻: No.3 ページ: 173-182
  • 査読あり
• [雑誌論文] 病院情報システムの蓄積データの信憑性確保のための機能要件 (2010)
  • 著者名/発表者名: 津久間秀彦
  • 雑誌名: 医療情報学30巻 ページ: 145-148
  • 査読あり
• [雑誌論文] 一次利用と二次利用を縦貫するデータモデルの考察 (2010)
  • 著者名/発表者名: 木村映善
  • 雑誌名: 医療情報学30巻 ページ: 149-150
  • 査読あり
• [雑誌論文] 患者情報の信憑性を阻害する要因の検証に基づく病院情報システムの再構築一次利用の立場から (2010)
  • 著者名/発表者名: 合地明
  • 雑誌名: 医療情報学30巻 ページ: 151-153
  • 査読あり
• [雑誌論文] 病院情報システムのシステマティックな有用性評価と6W1H情報の重要性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 奥原義保
  • 雑誌名: 医療情報学30巻 ページ: 157-162
  • 査読あり
• [雑誌論文] 医療情報システムの機能評価ユーザーの立場から (2009)
  • 著者名/発表者名: 合地明
  • 雑誌名: 医療情報学29巻 ページ: 99-101
  • 査読あり
• [雑誌論文] 診療支援におけるシステム機能評価の課題をどう解決するか医療機関とベンダーが協力した取り組みの提案1 (2009)
  • 著者名/発表者名: 園田武治
  • 雑誌名: 医療情報学29巻 ページ: 102-105
  • 査読あり
• [雑誌論文] システム評価のための医療情報の蓄積と検索技術の実例と課題 (2009)
  • 著者名/発表者名: 片岡浩巳
  • 雑誌名: 医療情報学29巻 ページ: 106-109
  • 査読あり
• [雑誌論文] 医療情報2次利用における課題とその対応について (2009)
  • 著者名/発表者名: 稲岡則子
  • 雑誌名: 医療情報学29巻 ページ: 110-111
  • 査読あり
• [雑誌論文] 日常診療への情報支援のためのプロファイル機能のあり方 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石田博
  • 雑誌名: 医療情報学29巻 ページ: 111-112
  • 査読あり
• [雑誌論文] 異なるベンダー間でのシステム移行の問題点は何か (2009)
  • 著者名/発表者名: 木村映善
  • 雑誌名: 医療情報学29巻 ページ: 288-289
  • 査読あり
• [雑誌論文] 次世代救急・災害支援情報システム-救急医療Net Hiroshima-広域対応を目途とするリアルタイム応需機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石川澄
  • 雑誌名: 医療情報学28巻 巻: No.4 ページ: 187-195
  • 査読あり
• [学会発表] 件) 1. Takeshi Tanaka, Is E-Healthcare ChartContributory to Patient Safety? (2012)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Tanaka
  • 学会等名: HEALTHINF 2012(Part of the 5thInternational Joint Conference onBIOSTEC)
  • 発表場所: Vilamoura, Algarve, Portugal
  • 年月日: 2012-02-02
• [学会発表] 患者情報の信憑性を阻害する要因の検証に基づく病院情報システムの再構築 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石川澄
  • 学会等名: 平成23年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(松山市)
  • 年月日: 2012-01-19
• [学会発表] 病院情報システムの稼働状況と患者情報の信憑性全国アンケート調査の結果から (2012)
  • 著者名/発表者名: 津久間秀彦
  • 学会等名: 平成23年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(松山市)
  • 年月日: 2012-01-19
• [学会発表] 患者情報の信憑性を阻害する要因の検証に基づく病院情報システムの再構築一次利用者としての臨床現場から (2012)
  • 著者名/発表者名: 合地明
  • 学会等名: 平成23年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(松山市)
  • 年月日: 2012-01-19
• [学会発表] 電子化医療情報における信憑性実現のための4階層 (2012)
  • 著者名/発表者名: 奥原義保
  • 学会等名: 平成23年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(松山市)
  • 年月日: 2012-01-19
• [学会発表] 信憑性の基盤としての正確性に関する議論 (2012)
  • 著者名/発表者名: 木村映善
  • 学会等名: 平成23年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(松山市)
  • 年月日: 2012-01-19
• [学会発表] 広域災害での医療継続に必要な患者情報の信憑性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 栗原幸男
  • 学会等名: 平成23年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(松山市)
  • 年月日: 2012-01-19
• [学会発表] 患者情報の信憑性を阻害する要因の検証に基づく病院情報システムの再構築 (2011)
  • 著者名/発表者名: 石川澄
  • 学会等名: 平成22年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2011-02-03
• [学会発表] 患者情報の信憑性を阻害する要因の検証に基づく病院情報システムの再構築一次利用におけるユーザーの立場からの立場から (2011)
  • 著者名/発表者名: 合地明
  • 学会等名: 平成22年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2011-02-03
• [学会発表] 電子カルテの物語性と概括性を向上させる6W1H情報の重要性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 奥原義保
  • 学会等名: 平成22年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2011-02-03
• [学会発表] 医療情報の標準化手法についてボトムアップ手法とトップダウン指向の配布の融合 (2011)
  • 著者名/発表者名: 木村映善
  • 学会等名: 平成22年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2011-02-03
• [学会発表] 信憑性を阻害する要因と問題解決の方向性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 津久間秀彦
  • 学会等名: 平成22年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2011-02-03
• [備考]
  • URL: http://home.hiroshima-u.ac.jp/~humind1/japanese/GASR21249035/