研究課題/領域番号 |
21249041
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
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研究分担者 |
川野 徳幸 広島大学, 平和科学研究センター, 准教授 (30304463)
川上 秀史 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70253060)
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
小池 聖一 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (70274024)
布川 弘 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (30294474)
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キーワード | 原爆被爆者 / 放射線障害 / コホート研究 / アンケート調査 / 黒い雨 |
研究概要 |
本研究は、原爆が被爆者のその後の生活に与えた身体的、精神的、社会的影響を社会医学的観点に立ち総合的に研究することを目的とする。本年は、以下の研究を実施した。 1) 朝日新聞アンケートデータの整備と解析 現時点では電子化されていない被爆距離について、学生アルバイトの導入による電子入力を行った。入力後のデータを用い、被爆者本人の健康に関する不安や子や孫の健康に関する不安における被爆状況依存性について統計解析を行った。その結果、原爆被爆者は、自身の健康不安、出産時の不安、子・孫に対する健康不安を抱えていることが、あらためて提示された。それら健康不安の程度は、直接被爆者は入市被爆者と比べ有意に高く、また被爆距離に依存していることが示された。健康不安の程度は急性症状発現の有無も含め、被爆状況に依存している実態が確認された。 2) 被爆者コホートの整備および解析 広島県内居住の原爆被爆者を対象に、死亡票などを用いて当研究所の被爆者データベース(ABS)との照合処理を行い、死亡情報および異動情報の付与、被爆時所在地情報や遮蔽状況情報の精密化と再コード化(対象は約2万人分)を行いABSの更新を行った。(2010年3月20日時点で、作業は継続中である。)これらにより、ABSデータの有用性は格段に向上しつつある。
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