研究課題/領域番号 |
21249042
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20186993)
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研究分担者 |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (70315935)
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70381936)
友杉 真野 (堀中 真野) 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80512037)
友杉 充宏 京都府立医科大学, 医学部, プロジェクト研究員 (60533429)
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キーワード | フラボノイド / flavone / miR-34a / p53 / メチル化 / HDAC阻害剤 / miR-34b/c |
研究概要 |
1.TRAIL感受性を標的とした「microRNA調節化学予防」 本計画では、癌予防効果を示すことが知られている食品成分が癌抑制的に働くmicroRNAの発現に影響を与える可能性を検討した。 癌予防効果成分の知られている食品成分としてフラボノイドの一種であるflavoneを用い、これを前立腺癌細胞DU145に処理し、microRNAの発現を検討した。 その結果、癌抑制遺伝子p53の標的microRNAとしても知られる癌抑制microRNAであるmiR-34aの上昇が認められた。DU145はp53変異細胞であるため、flavoneによるmiR-34aの上昇はp53に依存しないことが明らかとなった。 2.脱メチル化作用を有する食品成分を用いた「microRNA調節化学予防法」 プロモーター領域のメチル化によって発現抑制されている癌抑制的に働くmicroRNAの発現を回復させることができる食品成分の探索を目的として、昨年度はDNAメチル化阻害剤である5-azacytidineによって癌抑制的に働くmicroRNAであるmiR-34b/cの発現が回復することを確認した。メチル化解除による発現の回復には、HDAC阻害剤との併用が有効とされることから、DNAメチル化阻害剤とHDAC阻害剤との併用を試みたところ、むしろHDAC阻害剤によりmiR-34b/cの発現が抑制され、その発現抑制をDNAメチル化阻害剤が回復させている結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
microRNAの発現を網羅的解析する技術であるmicroRNA chipにおいて、個別のmicroRNA発現解析と相関しない結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
網羅的発現解析と個別の発現解析の不一致において、網羅的解析手法の統計解析の修正、手法自体の変更によりこの問題を克服する予定である。
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