研究分担者 |
高柳 涼一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30154917)
大中 佳三 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (30325518)
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60274528)
足立 雅広 九州大学, 九州大学病院, 助教 (00419516)
銀 光 九州大学, 大学院・医学研究院, 研究員 (90444786)
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研究概要 |
本研究課題の目的は、生活習慣病予防を目指したコホート研究(九州大学福岡コホート研究)において、追跡調査にもとづく疾病罹患データの整備を図るとともに、基礎調査のデータを活用して分子疫学的観点から炎症及び2型糖尿病の関連要因を明らかにすることである。コホート研究基礎調査では福岡東区住民12,949名(遺伝子解析同意12,629名)が参加していたが、平成22年1月に1名の同意撤回があり、現在の参加者数は12,948名(遺伝子解析同意12,628名)である。コホート研究の2次調査では、受療状況と生活習慣について郵送調査をおこない、高感度CRP、ヘモグロビンA1c及びビリルビン測定のための採血を福岡市東区医師会所属の28施設に委託した。平成21年夏の新型インフルエンザ流行のために、実施計画を変更し、2次調査の実施を平成22年2月~8月に延長した。合計で3,522名に対して調査協力依頼をおこない、2,455名(70%)から郵送調査への回答が得られた。採血検査には2,350名(67%)が応じた。基礎調査に基づく横断研究では、コーヒー飲用がCRP低値と関連していることが男性でのみ観察された。また、血清ビリルビン値が高値の者ではCRP及びヘモグロビンA1cがそれぞれ直線的に低値であり、ビリルビンの抗炎症作用、抗糖尿病作用が示された。ビリルビンとヘモグロビンA1cとの予防的関連はCRP値を調整しても観察された。遺伝子解析研究では、男女それぞれ1500名を無作為に抽出し、IL-6遺伝子多型(rs1800796)とCRP遺伝子多型(rs1205)を測定した。マイナー・アレル頻度はそれぞれ0.237と0.342であり、遺伝子型の分布はいずれもバーディ・ワインベルグの法則に従っていた。
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