研究課題
指紋は万人不同・一生不変な形質として知られ、今日でも最も有効な個人識別のツールの一つである。さらに両手全十指の隆線の数を総計した総隆線数については、人の形態学的特徴の中で遺伝により特に強く影響を受けていることが過去の研究から示唆されている。しかし多因子遺伝形質であるために責任遺伝子の検索は困難であり未だ同定はされていない。当該研究計画では、この総隆線数の決定に関与する遺伝子多型を同定し、その機能差を明らかにすることを最終的な目標としており、当該年度では日本人集団(男性)約600サンプルを対象とし指紋の採取ならびにDNAソースとしての唾液あるいは血液の採取をおこなった。得られた指紋について総隆線数の算出をおこない、多い群と少ない群それぞれ24サンプルのDNAを抽出し委託解析によりゲノムワイドな一遺伝子多型(SNPs)解析(GWAS解析)をおこなった。当該研究計画では最近の遺伝子解析技術の進歩により実施可能となった網羅的な多型解析法を取り入れたことにより、上述の通り、多数の遺伝子群のネットワークにより形成される複雑さにより解明が難しいとされてきた遺伝形質の一つである指紋について責任遺伝子多型群の同定が期待される。次年度では、この解析データについての統計解析を実施し、両グループ間の比較から総隆線数の決定に関与する候補遺伝子多型を絞り込み、多検体(GWAS解析をおこなっていない他のサンプル)についてそれらの遺伝子型を決定し、隆線数との関連解析を実施する予定である。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)
J Mol Diagnos.
巻: (in press)
DNA Cell Biol.
巻: 30(in press)
日本輸血細胞治療学会誌
巻: 57 ページ: 34-38
Transfusion
巻: (In press)
Cell Biochem Funct
巻: 29 ページ: 56-63
Leg Med (Tokyo)
巻: 13 ページ: 44-46
Electrophoresis
巻: 31 ページ: 3552-3557
巻: 50 ページ: 1322-1327
Int J Biochem CellBiol.
巻: 42 ページ: 1216-1225
http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/foren/