研究課題/領域番号 |
21249052
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貫和 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40129036)
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研究分担者 |
海老名 雅仁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10280885)
菊地 利明 東北大学, 病院, 講師 (10280926)
井上 彰 東北大学, 病院, 助教 (70361087)
福原 達朗 東北大学, 病院, 助教 (80400365)
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キーワード | 肺腺癌 / EGFR受容体 / 非喫煙者 / ゲノム / 東アジア |
研究概要 |
肺腺癌は非喫煙者にも発癌をみ、肺発癌の基本的事象をゲノム背景にもつことが推測される。分子標的創薬理念から生まれたEGF(上皮増殖因子)受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は、肺腺癌例に著効し、肺癌組織特異EGFR-TK活性型変異が分子標的として集積し、過剰シグナルによる細胞死抑制を打破する等、全く斬新なREVERSE ONCOLOGY肺腺癌生物学を明らかにした。本研究は、かかる肺腺癌の生物学的背景をさらに解析するため、以下の二方向の解明が目的である。 A:活性型変異の選択理由の解明:生着環境・生理的リガンド等の検討: ●肺転移動物モデルとして、蛍光標識となるpDN-IRESEGFPを導入した標識肺腺癌細胞株(PC9:EGFR-TKdel型活性型変異株、A549:EGFR野生型+k-ras活性型変異株)を経静脈的にNOD scidに注入したところ、A549株は6wで肺に広範な播種をみたが、PC9では限られていた。色素排出によるside populationはA549に認め、PC9ではわずかであった。 ●肺組織特異EGFリガンドのTGF-α、amphiregulinのcDNAをpcDNA3.1を用いて肺腺癌細胞株に導入し、その産生と細胞死抑制を評価した。 ●活性型変異による過剰シグナル下の蛋白リン酸化のうち、接着分子リン酸化をWestern blotting等で評価した(化学発光撮影装置LAS4000miniを備品として購入)。 B:体細胞変異であるEGFR活性型変異が東アジア人に集積する生物学的背景: ●本年度は「ヒト上皮成長因子受容体遺伝子変異をもつ肺癌患者における肺癌発癌関連遺伝子同定に関する研究」(東北大学倫理委員会承認(2009-294))により変異個体の検体収集を開始した。 ●また高感度変異同定PNA-LNA法に適したPCR機器(Smart Cycler:備品として購入)をもちい、当初予定した中国を変更して、EGFR活性型変異が多数例存在するマレー系アジアとして、インドネシア大学との共同研究を開始した。 [連携研究者]・埼玉医科大学萩原弘一:ゲノム解析の指導 ・宮城県立がんセンター菅村和夫、前門戸任:幹細胞実験、肺腺癌患者の集積
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