研究課題
水澤主任研究者は、SCA6においては計画通り安定化発現細胞株を合計6種類完成させ、次にSCA6の標的分子であるCTFが核内と核外(細胞質内)の局在の違いでどのように遺伝子発現に影響するかを、マイクロアレー法とRT-PCR法などで網羅的に探索した。その結果、CTFが細胞質内に存在するときに細胞死が招来されることが明らかになった。その状況下で様々な遺伝子の発現が変動することを明らかにし、RT-PCRでも確認した。目下、細胞死が起きるカスケードを探索している。一方、2種類の異なったタイプのCTFをそれぞれ過剰発現するマウスを作製した。現在これらについてライン樹立を行っている。石川分担研究者は、SCA31について異常RNAを発現する細胞モデルの作製を初年度から行ってきたが、平成22年度はこれを完了させた。一過性発現では細胞死とRNA凝集体の形成を確認した。本疾患では小脳内でも神経細胞変性の起こり方に明確な部位差が見られ、患者間でも一定していることが特徴であることが明らかになった。さらに、現在患者脳内での凝集体形成と神経細胞変性の程度について、検証している。渡瀬分担研究者は、SCA6遺伝子エクソン47領域の選択的スプライイシング制御機構とその制御因子の解明を目指している。本年度は選択的スプライシングの変化を蛍光を指標としてモニターできるC acnalaミニジーンコンストラクトを作製し、このミニジーンを発現するHEK293由来安定細胞株の作製に成功した。今後安定細胞株に候補因子や薬剤を投与する予定である。
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実験医学
巻: 28 ページ: 118-123
Acta Neuropathologica
巻: 119(4) ページ: 447-464
Neuropathology