研究課題
SCA6:水澤研究代表者・石川分担研究者らはポリグルタミン鎖伸長を有するP/Q型CTFが、細胞質に発現する場合と、核内に発現する場合の安定化細胞株を作製し、細胞死は患者脳内と同様に細胞質のCTFが発現した場合に強いことを見出した。マイクロアレー解析などから、細胞モデルでの細胞死に先だって発現変動を示す遺伝子群を見出し、患者脳内での遺伝子発現変動も認める遺伝子群を限定化することが出来た。また、患者脳内でのCREBリン酸化低下がCTF凝集体形成によって起きることや、患者脳内では重要な神経成長因子BDNFが低下していることを発見し、誌上報告した。渡瀬分担研究者は、SCA6遺伝子エクソン47領域の選択的スプライシング制御機構とその制御因子の同定を目指している。昨年度樹立したエクソン47領域選択的スプライシングの変化を蛍光を指標としてモニターできるHEK293由来安定細胞株は、細胞の接着性が弱く大規模なスクリーニングには不適であることが判明したため、新たにPC12由来スプライシングモニター安定細胞株を樹立し、小分子化合物ライブラリを用いたスクリーニングを開始した。またシス調節因子の同定を目指して候補領域に欠失変異を有するミニジーンをPC12細胞に発現させた結果,同部位のスプライシンング効率が変化する領域を見出した。SCA31:石川分担研究者らは細胞モデルを完成させ、動物モデルの作製も進めた。変異遺伝子がRNAとして発現することを誘導できるPC12細胞株を樹立し、細胞死とRNA凝集体形成がいずれも(UGGAA)nが発現する時に招来されることを見出した。研究最終年度に、その状態で発現変動する遺伝子の探索を進めた。また、(UGGAA)nが過剰発現する動物モデルの作製を進めた。繁殖を進めることに手間取り、マウス系統の樹立を達成するに留まったため、マウスの解析は今後別途進める。
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