研究課題/領域番号 |
21249060
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
上阪 等 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00251554)
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研究分担者 |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
溝口 史高 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60510360)
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キーワード | 関節リウマチ / TREM-1リガンド / CDK4/6阻害薬 / TREM-1 |
研究概要 |
Triggering receptor expressed on myeloid cells(TREM)-1は、マクロファージや好中球に発現し、その刺激はToll様受容体刺激による炎症性サイトカインの分泌を増幅させる。一方、マウス敗血症モデルのTREM-1細胞外ドメインIg融合蛋白(TREM-1-Ig)によるTREM-1阻害療法は生存率を改善させた。これはTREM-1阻害では感染防御に必要な炎症性サイトカインを温存しつつ炎症を抑制することを示唆していた。我々は、TREM-1の関節リウマチ患者滑膜細胞での発現、及び、TREM-1Ig投与によるTREM-1阻害が関節リウマチ動物モデルであるマウス・コラーゲン誘導関節炎(CIA)に治療効果をもつことを明らかにした。さらに今回、B細胞に発現するマウスTREM-1リガンド(TREM-1-L-B)を同定し、抗TREM-1-L-B抗体投与による、CIAでの治療効果も明らかにした。TREM-1-L-B-lgを用いた、TREM-1を介した刺激ではマクロファージからTNF-αの産生が確認された。この作用にはLPS刺激によるTNF-α産生の増幅効果も認めた。一方、TREM-1-His同時投与によりこのTNF-α産生は抑制され、TREM-1-L-B-Igによる刺激はTREM-1特異的であることがわかった。マクロファージとTREM-1-L-Bを発現していると考えられるB細胞との共培養では抗IgM抗体存在下で、TNF-α産生は増加した。この増加は抗TREM-1-L-B抗体投与で抑制された。さらに、ヒトTREM-1-Hisによる各種ヒト細胞の染色により、既報告とは異なり、マクロファージ上にヒトTREM-1-リガンドが発現している可能性も見いだした。TREM-1-L-Bは正規のTREM-1リガンドであり、これらの事実を新規治療法開発に応用する予定である。
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