研究課題
本年度は、小児用補助循環システムの研究開発に関して、1)小児用PCPSシステムについては、昨年に引き統き国立循環器病センター臨床部門/研究所の連携の元で試作を進めるとともに、長期動物実験を行った。人工肺には研究所で開発されたニプロ製BioCube2000を、遠心ポンプにはヨストラ製RotaFlowを用い、全血液接触面は我々が開発したT-NCVCコーティングを施し、また血栓好発部位である回路コネクター部には内面の段差なしに内径を漸減させる新規開発のSmooth connecting tubeを用いた。試作回路の充填液量は147mlと極めて少量で、乳児に対して血液無充填でのセットアップも可能である。動物実験では、19~25kgの成山羊(n=6)に対してACT150~200秒の軽度ヘパリン化で2および5週間(各n=1)、ヘパリン非投与で2および5週間(各n=2)の連続使用を行った。その結果、全例で予定期間の連続灌流を達成した。人工肺流入出部には微量の血栓形成を認めたが、少なくとも2週間まではヘパリン非投与下でも安全な灌流が可能と考えられた。2)体外設置式空気圧駆動型VADについては、既に製造承認が得られている国循型の小児用拍動流型VAD(M型)の臨床使用を可能とすべく改良・評価を進めた。人工弁はMedtronic21mmへと変更し、T-NCVCコーティングを施して抗血栓性を高め、前臨床試験を行った。26および23kgの成山羊(n=2)に対してワーファリンによる軽度の抗凝固療法施行下で3ヶ月間の左心補助を行った。その結果、共に予定期間の連続灌流を全く問題なく達成し、早期の臨床投入が見込まれる段階となった。3)乳児用遠心式VADに関しては、茨城大学との共同研究開発により一次試作を完成させた。in vitro試験による評価では十分の駆出性能が得られ、引き続き開発を進める予定である。4) これらに加えて、動圧軸受け技術を用いた超小型埋込式軸流型VAD、およびECMO用高耐久性ディスポーザブル遠心ポンプの開発・小児用改良にも着手した。
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