• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

変形性関節症における軟骨分化マスター因子SOX9の病態関与と新規治療への基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 21249078
研究機関京都大学

研究代表者

秋山 治彦  京都大学, 医学研究所, 准教授 (60402830)

研究分担者 八十田 明宏  京都大学, 医学研究科, 講師 (50378642)
伊藤 宣  京都大学, 医学研究科, 准教授 (70397537)
キーワード変形性関節症 / Sox9 / 遺伝子改変マウス
研究概要

平成23年度は、Sox9-EGFPマウス由来初代軟骨細胞を用いてSox9発現誘導活性を有する化合物のスクリーニングを実施した。生後1-2日目のSox9-EGFPマウスの肋骨を採取し、トリプシンおよびコラゲナーゼ処理にて軟骨細胞初代培養系を作製した。96穴プレートに1穴あたり10000個の細胞を播種し2日間培養後、Prestwick社およびSigma-Aldrich社から購入したChemical libraryの化合物を添加した。24時間後蛍光マイクロプレートリーダーにてEGFPの蛍光強度を測定し、コントロールの3倍以上の蛍光強度を誘導する化合物のリストを作成した。この方法にて約7000種類以上の化合物スクリーニングを実施し終了した。この結果、12種類の低分子化合物が得られた。2次スクリーニングとして、EGFP誘導活性を有する化合物をマウス初代軟骨培養細胞に添加後、48時間でのCol2a1およびアグリカン遺伝子発現上昇をリアルタイムPCRで解析し、最終的に3種類の化合物が獲得された。これら3種類の化合物は、Sox9-EGFPマウスの膝関節を摘出し実体顕微鏡下に関節内投与しEGFP蛍光強度を蛍光実体顕微鏡で観察したところ、組織においてもEGFP発現誘導活性を有していることを確認した。よってこの3種類の低分子合成化合物は、関節軟骨においてSox9遺伝子発現を誘導し、関節症治療薬のシード化合物で有ると期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低分子化合物の一次および二次スクリーニングにより、軟骨細胞においてSox9遺伝子発現を誘導する可能性のある3種類の低分子化合物を獲得できた。これら化合物は関節症において関節軟骨修復作用による治療薬として期待できる。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、さらに3000種類の低分子化合物をスクリーニングする予定である。また、平成23年度で得られた3種類の低分子化合物に対して、治療効果の判定を行う予定である。3.5kg日本白色家兎部分半月板切除による変形性関節症モデルを作製する。スクリーニングされた化合物を埋め込み型オスモティックポンプを用いて4週間持続投与する。手術4週後および8週後に屠殺し膝関節を摘出し、それぞれ早期変形性関節症と進行期変形性関節症の病態を検討する。また3-3.5kg日本白色家兎大腿骨顆部に直径3mmおよび5mmの円柱状の関節軟骨欠損モデルを作製する。スクリーニングされた化合物を埋め込み型オスモティックポンプを用いて2週間持続投与する。手術2週後に屠殺し膝関節を摘出。EDTA脱灰後パラフィン切片を作製し、サフラニン-0/ファーストグリーン染色で欠損関節軟骨部の修復状態を解析し、化合物の効果を判定する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Continuous cell supply from a Sox9-expressing progenitor zone in adult liver, exocrine pancreas and intestine2011

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Furuyama, et al
    • 雑誌名

      Nature Genetics

      巻: 43 ページ: 34-41

    • DOI

      doi:10.1038/ng.722

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Wwp2 is essential for palatogenesis mediated by the interaction between Sox9 and mediator subunit 252011

    • 著者名/発表者名
      Yukio Nakamura, et al
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 2 ページ: 251

    • DOI

      doi:10.1038/ncomms1242

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi