研究課題
【目的】運動器損傷の動物モデルを用いて、血管内皮前駆細胞を含む細胞分画であるヒト末梢血由来CD133/CD34陽性細胞や骨髄由来の間葉系幹細胞を磁気装置により誘導することで移植細胞を効率的に集積させて運動器損傷再生を促進させる【方法】ヌードラットの骨格筋損傷モデルの損傷部に対し磁気ビーズ付抗体により単離したCD133陽性細胞を注入する際に反対側に外磁場装置を置いた群と磁場なしの群を作製した。また、ヌードラットの胸椎部に脊髄損傷を作製し、腰椎部のくも膜下腔へCD133陽性細胞を注入し、脊髄損傷部へ磁場を当てた群と磁場なしの群を作製した。さらに、臨床応用を目指した大動物の実験としてブタの膝関節軟骨損傷モデルを作製し、磁性化した間葉系幹細胞を膝関節内に注入して、外磁場装置により移植細胞を損傷部へ集積させた。【結果】骨格筋損傷モデルでは磁場を当てた群では磁場なしの群に比較して損傷部の陥凹が小さく、有意に電気刺激時の筋収縮力が強かった。また、組織学的には損傷部の瘢痕形成が有意に少なく、再生筋を多く認めた。脊髄損傷モデルでは磁場を当てた群では磁場なしの群に比較して、有意に後肢運動機能の改善が促進されていた。ブタ膝関節軟骨損傷モデルでは治療後6週で肉眼的に軟骨形成を認め、硬度計による測定で、周囲の正常軟骨とほぼ同等の硬度をもつ軟骨組織が形成されていた。【結論】磁気誘導装置を用いて磁性化されたCD133陽性細胞や間葉系幹細胞を損傷部に集積させることで、損傷された運動器の修復が促進された。今後、in vivo imagingによる移植細胞の動態や遺伝子学的・免疫組織学的評価による修復メカニズムの解析を進めていく予定である
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