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2012 年度 実績報告書

手術侵襲と痛みに対する生体ストレス反応の評価とオピオイドの意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21249081
研究機関京都大学

研究代表者

福田 和彦  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90199224)

研究分担者 辻川 洋  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20362501)
瀬川 一  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60263076)
正田 丈裕  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60335263)
研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード吸入麻酔薬 / オピオイド / T細胞 / 硫化水素
研究概要

1.亜酸化窒素の鎮痛機序
κオピオイド受容体欠損マウスにおいて亜酸化窒素の作用を検討し、亜酸化窒素の鎮痛作用はκオピオイド受容体欠損により消失するが、鎮静作用は変化しないことが示され、鎮痛作用はκオピオイド受容体を介するが、鎮静作用はオピオイド受容体以外の機序を介することが明らかになった。今後は、亜酸化窒素により脳内でκオピオイド受容体発現神経細胞あるいはダイノルフィン分泌神経細胞が活性化することを示す必要がある。
2.オピオイドによる免疫抑制機構
ヒト末梢血由来T細胞およびヒトT細胞由来細胞株でモルヒネ投与後にT細胞受容体を活性化すると、モルヒネ投与を行わない場合に比べて、extracellular signal-regulated kinaseの燐酸化は増強され、nuclear factor κB経路の活性は減弱されることが明らかになった。これらの作用はナロキソンで抑制されないことから、オピオイド受容体を介さない作用であることが示唆された。
3.全身麻酔と低酸素誘導因子(HIF)を介するエリスロポエチン(EPO)発現
EPOは、脳において虚血や低酸素に反応して発現し、神経保護に重要な機能を有する可能性がある。本研究では、麻酔薬が低酸素に曝露したマウス脳におけるEPO発現に与える影響について検討し、検討したすべての麻酔薬(イソフルラン、セボフルラン、ハロタン、バルビツレイト、プロポフォール、ケタミン)がEPO発現を抑制することを明らかにした。さらに、培養細胞を用いた検討から、アストロサイトにおいてEPO発現が麻酔薬によって抑制されることが明らかになった。近年、麻酔薬が神経発達に影響することが注目されているが、EPOが神経発達において重要な役割を果たすことが知られているので、本研究で示された麻酔薬によるEPO発現抑制が麻酔薬の神経発達への影響に関与している可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Dual modulation of the T-cell receptor-activated signal transduction pathway by morphine in human T lymphocytes.2013

    • 著者名/発表者名
      溝田敏幸、辻川洋、正田丈裕、福田和彦
    • 雑誌名

      J Anesth

      巻: 27 ページ: 80-87

    • DOI

      doi:10.1007/s00540-012-1472-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Microglial activation involved in morphine tolerance is not mediated by toll-like receptor 42013

    • 著者名/発表者名
      深川博志
    • 雑誌名

      Journal of Anesthesia

      巻: 27 ページ: 93-97

    • DOI

      10.1007/s00540-012-1469-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Successful perioperative management of a patient with primary systemic carnitine deficiency: A case report2013

    • 著者名/発表者名
      加藤果林
    • 雑誌名

      Journal of Anesthesia

      巻: 27 ページ: 141-142

    • DOI

      10.1007/s00540-012-1459-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pre transplant serum magnesium level predicts outcome after pediatric living donor liver transplantation2012

    • 著者名/発表者名
      Elgendy, Hamed M.
    • 雑誌名

      Annals of Transplantation

      巻: 17 ページ: 29-37

    • 査読あり
  • [学会発表] 亜酸化窒素の鎮痛作用機序におけるκオピオイド受容体の役割2012

    • 著者名/発表者名
      深川博志、小山智弘、福田和彦
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第59回学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2012-06-08
  • [学会発表] デクスメデトミジンは血小板凝集に対し増強・抑制両方の効果をあわせ持つ2012

    • 著者名/発表者名
      川本修司、平方秀男、野口輝夫、杉田 尚子、福田 和彦
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第59回学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2012-06-07
  • [学会発表] イソフルランは、急性貧血により誘導される血中エリスロポエチンの上昇を抑制する2012

    • 著者名/発表者名
      甲斐慎一、田中具治、松山智紀、大条紘樹、廣田喜一、福田 和彦
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第59回学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2012-06-07
  • [学会発表] 膵β細胞MIN6のグルコース刺激性インスリン分泌に対する揮発性麻酔薬の影響の検討2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木堅悟、廣田喜一、大条紘樹、甲斐慎一、松山智紀、福田和彦
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第59回学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2012-06-07
  • [学会発表] マイクログリアの活性化と酸素環境が低酸素誘導性遺伝子発現と神経因性疼痛関連遺伝子発現に与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      松山智紀、廣田喜一、鈴木堅悟、甲斐慎一、大条紘樹、福田和彦
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第59回学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2012-06-07

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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