研究課題/領域番号 |
21249084
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 長久 京都大学, 医学研究科, 教授 (70211662)
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研究分担者 |
大谷 篤史 京都大学, 医学研究科, 助教 (30314222)
山城 健児 京都大学, 医学研究科, 助教 (80399617)
山田 亮 東京大学, 医学研究科, 准教授 (50301106)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / テーラーメード医療 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
我が国における失明原因の上位として増加しつつある加齢黄斑変性に対して、現在では複数の治療選択が可能となってきた。しかし、それらの治療に対する反応は患者によって様々であるため、各患者の予後および治療に対する反応性を予測することによって治療方法を選択し、テーラーメード医療を実現することができれば、加齢黄斑変性の治療成績は更に向上することが考えられる。 我々はARMS2遺伝子A69S多型の検出キットを作成・検証した。すでに250名以上の加齢黄斑変性患者に対して、キットを用いた遺伝子診断を行った。結果は従来の遺伝子多型検出の方法であるTaqman法で検証し、すべての結果に問題が無いことを確認した。さらに臨床病態との相関を検討するために、全ての患者経過を追って、データベースを作成している。 また、新たなターゲットとなり得る遺伝子多型を探索し、CFH遺伝子、PEDF遺伝子、C2遺伝子、C3遺伝子、CFB遺伝子、VEGF遺伝子、SERPING1遺伝子等に関して検討を進めてきた。現時点ではVEGF遺伝子の多型が新たなターゲットとなり得ると考え、さらに検証を進めていく予定である。 本研究の結果が出た時点で、我が国の加齢黄斑変性に対する治療は、遺伝子診断を行うことによって個々の患者に最適なものを選択できるようになり、治療成績の向上も期待できると考えられる。これは国民の生活の質の向上につながり、また無駄な治療が削減できることから、医療費の抑制にもつながると考えられる。
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