研究課題
我が国の失明原因の上位として増加しつつある加齢黄斑変性に対して、現在では複数の治療選択が可能となってきた。しかし、それらの治療に対する反応は患者によって様々であるため、各患者の予後及び治療に対する反応性を予測することによって治療方法を選択し、テーラーメード医療を実現することができれば、加齢黄斑変性の治療成績はさらに向上するはずである。本年度は、これまで欧米人の加齢黄斑変性の発症に関わる遺伝子多型であるが、日本人の加齢黄斑変性の発症には相関を認めないとされてきたC2/CFB遺伝子について多数例での検討を行い、その相関を証明した。さらに、いまだにその疾患感受性が議論されているSERPING1遺伝子についてはその相関がないことを明らかにした。加齢黄斑変性のサブタイプである狭義加齢黄斑変性とポリープ状脈絡膜血管症の違いを説明できるかもしれないとして注目されていたエラスチン遺伝子についても検討を行ったが、既報の結果は再現できなかったため、サブタイプの発症原因は解明できず、サブタイプ別に見た印田学的なアプローチによる個別化医療の実現は現時点ではできていない。ポリープ状脈絡膜血管症に対して光線力学療法を行った後の治療反応性に影響を与えると考えているPEDF遺伝子については多施設前向き研究を行っているため、その結果を見てから再現性を確認した後に迅速遺伝子診断キットを作成し、より精度の高いテーラーメード医療の実現を目指したい。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件)
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