研究分担者 |
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
渕本 康史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40219077)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40127014)
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
滝田 順子 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00359621)
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研究概要 |
1.日本横紋筋肉腫研究グループ(JRSG)による臨床試験 (1)臨床試験登録状況:低リスクA群16例、低リスクB群14例 (2)中間リスクは効果安全性評価委員会の勧告に基づき、中間解析の時点で症例登録を中止し、以後outcome studyに移行。暫定1年全生存割合100%、同3年全生存割合86.5%である。 (3)高リスク群試験は現在症例追跡中 (4)中央病理診断が178例に実施され、胎児型52%、胞巣型48%、非説病理診断との不一致例は18% (5)VOD等の重篤な有害事象の発生は認められていない。 (6)胞巣型腫瘍の85%にPAX3,7-FKHRのキメラ遺伝子が検出された。 2.ヒト肉腫の癌幹細胞の分離と造腫瘍能の評価 (1)小児肉腫標本からの腫瘍組織及び樹立した肉腫細胞株を用いた肉腫幹細胞の分離 横紋筋肉腫細胞株(RD,Rh30,KYM-1,RMS-YM)及び臨床検体(RMS91007)を用いて、癌幹細胞マーカーであるCD133の発現解析を行った結果、RD:73.8%, KYM-1:1.7%, RMS-YM:10.1%, Rh30:3.19%, RMS91007:71.2%の発現頻度であり、RDで最も高い発現頻度を示した。この結果を踏まえ、RD133^<high/+>細胞の抗癌剤の感受性を検証した結果、CD133^<low/->細胞に比べactinomycin D及びcisplatinに対する感受性が低い傾向が示唆された(P<0.05%)。更に、腫瘍形成能においては、CD133^<low/->細胞に比べ、高い腫瘍形成能がしめされた。 (2)iPS細胞技術によるヒト肉腫細胞のリプログラミング 横紋筋肉腫細胞株(RD,Rh30,KYM-1)に山中4因子を導入しiPS化を試みた結果、フィーダー細胞上ではコロニー形成が困難であった。この結果を踏まえ、Matrigel-coating dish上で培養では、コロニー/sphere形成を確認することができた。更に、Rh30におけるPax3の定量PCRによる発現解析では、親株と比べ4factor導入細胞でPax3の発現量が低下していることが示された。
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