研究分担者 |
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
渕本 康史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40219077)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40127014)
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
仁尾 正記 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70228138)
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研究概要 |
1.臨床試験症例登録状況 現在低リスク群試験(低リスクA,B)の2試験が症例登録中である。中間リスク群試験及び高リスク群試験はすでに症例登録を終了し、現在追跡調査中。平成22年度の一次登録は31症例、累積一次登録数は22年度末で247症 2.暫定試験結果 中間リスク群における暫定1年OSは100%、同3年OS86,5%、1年PFS91.9%、3年PFS75%となり、米国COGの成績を上回っている。高リスク群におけるCR到達割合はgroupIII胞巣型7/11、groupIV胎児型6/11、groupIV胞巣型4/12となっており、COGに劣らない成績を得ている。 3.中央病理診断、中央遺伝子診断 197例について中央病理診断が行われ、施設病理診断との不一致率は27.6%であった。このためのリスク変更は18例(11.8%)となり、臨床試験脱落例となった。PAX3,7-FKHRキメラ遺伝子の発現は胞巣型腫瘍の81%に検出され、COGにおける成績(70%)を上回っている。 4.有害事象 VODなどの重篤な有害事象は認められなかった。 5.小児肉腫標本からの腫瘍組織及び樹立した肉腫細胞株を用いた肉腫幹細胞の分離 横紋筋肉腫細胞株(RD,Rh30,KYM-1,RMS-YM)及び臨床検体(RMS91007)を用いて、癌幹細胞マーカーであるCD133の発現解析を行った結果、RDで最も高い発現頻度を示した。この結果を踏まえ、RD133^<high/+>細胞の抗癌剤の感受性を検証した結果、CD133^<low/->細胞に比べ、種々の抗癌剤に対する感受性が低い傾向が示唆された(P<0.05%)。更に、免疫不全マウスへの移植研究にて腫瘍形成能においては、CD133^<Low/->細胞に比べ、高い腫瘍形成能が示され、CD133^<high/+>細胞から造成される腫瘍には12%のCD133陽性細胞が存在するのに対し、CD133^<Low/->細胞からの腫瘍にはCD133陽性細胞は存在しなかった。 6.ips細胞技術によるヒト肉腫細胞のリプログラミング 横紋筋肉腫細胞株(RD,Rh30,KYM-1)に山中4因子を導入しiPs化を試みた結果、フィーダー細胞上ではコロニー形成が困難であった。現在、更に種々の条件を変えて横紋筋肉腫細胞株のips化を模索している.
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