研究分担者 |
黒田 達夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60170130)
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (70190197)
渕本 康史 慶應義塾大学, 医学部, 客員准教授 (40219077)
池田 均 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10326928)
福島 敬 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30323299)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 医師臨床教育センター長 (40127014)
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
仁尾 正記 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70228138)
福澤 正洋 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (60165272)
滝田 順子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00359621)
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研究概要 |
JRSG臨床試験は平成25年度をもってすべてのリスクグループの試験が終了し、現在解析が行われている。高リスク群の3年OS は70.6%,3年PFS 47.1%であり、末梢血幹細胞移植を用いたhigh dose chemotherapyの有用性を本研究で初めて示すこととなった。 中間リスク群にたいするiVAC療法ではOS 86.5%、同PFS 80.0%で米国IRSG/COGを凌駕する結果を得た。 胞巣型腫瘍全体(n=108)の3年OSは57.6%、胎児型(n=101)では85%と有意に差が見られた。また、キメラ遺伝子陽性例の5年OSは39.6%,陰性例では84.9%であった。キメラ遺伝子陰性の胞巣型(n=12)の5年OSは81.5%で胎児型(n=80)85.4%と差が無く、今後胞巣型に対する新たな層別化の必要性が示された。 基礎研究ではiPS細胞技術を用いた横紋筋肉腫細胞のリプログラニングについては、本研究では達成することができなかったが、RMS株を用いたCetuximabとACDの併用療法に関する研究では、EGFR高発現株に対して有意に抗腫瘍効果が認められた。次世代シークエンサーを用いた解析では、RMSにおけるsomatic変異の最も頻度が高いものはTP53変異であり、germline変異も含めると4例(26.7%)に認められた。さらにRMS50例を用いて、deep sequencingを行ったところ、PI3K経路の変異が48%に検出され、この経路は治療の標的になりうると推測された。本研究では胎児型腫瘍でPAX3の転座相手遺伝子がNCOA2であることを明らかにしたが、今回この融合遺伝子をクローニングし、機能解析を行った。PAX3-NCOA2は、細胞増殖を促進し、筋分化を阻害する機能を有することを初めて明らかにした。 以上の成果を基盤として現在新たな臨床試験(JRSGII)の準備が行われている。
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