研究課題
我々が樹立した口腔癌細胞とその細胞から分離した高浸潤能を有する細胞との遺伝子発現プロファイルを比較検討することによって、最も大きな差のみられた3つの分子すなわちPeriostin、IFITM1、Wnt5Bに注目し、これらを過剰発現させた口腔癌細胞とコントロール細胞の遺伝子発現プロファイルをマイクロアレイにより検討することによって、共通して発現の変化する分子を同定することとした.その結果、3つの分子を高発現させた時に共通して発現が高くなる因子として、細胞外マトリックスメタロプロテアーゼであるMMP10およびMMP13を同定した。MMP10は、口腔癌の浸潤に関わることが明らかとなり、MAPキナーゼであるp38の活性を抑制が関与していた。また、MMP13は、血管新生を促進することを血管内皮細胞を用いた解析により明らかにし、fibroblastからの血管増殖因子であるVEGF-Aの分泌促進や血管内皮細胞のERKやSrcの活性を介して血管新生を促進することが明らかとなった。Periostinは、in vitroで血管新生を促進することをすでに明らかにしているが、リンパ管新生も促進することをリンパ管内皮細胞を用いて明らかにし、その促進にAktの活性が関与することを明らかにした。さらに、様々な生命現象に関わることが明らかになりつつあるmicroRNAについて、口腔癌の浸潤に関わるmicroRNAを同定するため、親株とその細胞から分離した高浸潤能を有する細胞におけるmicroRNAの発現をアレイを用いて、網羅的に検討し、すでに上皮間葉移行(EMT)に関わることが報告されているmiR-200 familyやその機能が未だ明らかにされていないmiR-203の発現低下が口腔癌の浸潤に関わることが明らかとなった。
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