研究課題/領域番号 |
21249089
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
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研究分担者 |
竹内 弘 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (70304813)
松田 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (40291520)
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キーワード | 開口分泌 / カルシウム / イノシトールリン脂 / PHドメイン / SNARE / リン酸化 |
研究概要 |
新規分子、PRIP(phospholipase C-related, but catalytically inactive protein)が開口分泌に如何に関わっているかを解明する事を目的として実験を行い、以下の結果を得た。(1)PRIP由来の種々のドメイン、例えばPHドメイン、EF hand、X-Y、C2ドメイン、Dドメイン(C末端部分)およびこれらのコンビネーションの大腸菌発現系を構築し、組換え体を調製した。さらに幾つかについては培養細胞での安定的な発現系も構築した。(2)調製した組換え体のホスホイノシチドを含む試験管内リポソームへの結合実験を行い、PHドメインは結合するが、C2ドメインは結合しない事が分かった。また、PHドメインの結合はCAPS(Ca^<2+>-activated protein for secretion)と競合する事も分かった。(3)インタクト細胞を高K^+溶液で刺激すると[^3H]ノルアドレナリン(NA)の開口分泌を観察出来るが、安定的にPRIPやPHドメインを発現している細胞では抑制されていた。(4)機械的に漏出化したPC12細胞を用いて、RDE(電気的シグナルで開口分泌をアッセイする方法)あるいは[^3H]NA放出によって開口放出のアッセイを行い、PRIPあるいはPHドメインが抑制することも分かった。(5)化学的に漏出化した細胞を用いて開口分泌をアッセイするのに適した条件を設定する実験を行った。化学物質、処理時間、処理温度などを詳細に検討し、PC12細胞の場合には、室温で10μM程度の濃度のジギトニンで5分間処理するのが最適であった。この場合には1μMのCa^<2+>を添加することによって開口分泌が認められた。(6)化学的に漏出化した細胞をATP不在下で放置すると開口分泌が低下することを観察し、この原因はイノシトールリン脂質量が低下するためである事が分かった。
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