研究課題/領域番号 |
21249095
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大西 和子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 特任教員 (30185334)
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研究分担者 |
辻川 真弓 三重大学, 医学部, 教授 (40249355)
吉田 和枝 三重大学, 医学部, 准教授 (40364301)
後藤 姉奈 三重大学, 医学部, 助教 (80420389)
岡本 実保 (町本 実保) 三重大学, 医学部, 助教 (30376313)
大石 ふみ子 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 特任教授(常勤) (10276876)
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キーワード | 補完代替療法 / 漸進的筋弛緩療法、音楽療法、リラックス呼吸法、アロマセラピー / 外来がん患者 / セルフケア / ストレス・不安軽減 |
研究概要 |
平成22年度は、看護師への補完代替医療の応用研究を行い、疲労回復やストレス軽減などの有益な結果を得た。 平成23年度、24年度の研究目的は、平成22年度の結果より、外来通院しているがん患者を対象に補完代替療法(漸進的筋弛緩療法、音楽療法、リラックス呼吸法、アロマセラピー)をセルフケアとして行い、ストレス・不安軽減やQOL向上を図ることであった。 平成23年度は、本研究を行う前にパイロットスタデイを行うため、M大学病院の外来部門にあるリボンズハウス(外来がん患者相談窓口)に来訪する患者6人(女性乳がん患者)を対象に週1回、5週間の補完代替療法の介入を行った。対象者が2つの補完療法の1つを無作為に選択し、患者自身がセルフケアとして選択した補完療法を実践した。CDとCDプレイヤーは患者が使用できるようにしてあった。(1)漸進的筋弛緩法(リラクゼーションCD)とアロマを20分間使用3名、(2)音楽療法(リッラクス音楽CD)とアロマを20分間使用3名 データは、介入実践前(1回)、各週の最初の来訪日(5週間、5回)の合計6回、血圧・脈拍・SpO_2、POMS尺度(心理状態)、SRS18尺度(ストレス状態)、聞き取り調査(食欲、排泄、睡眠・休息、活動、痛み、倦怠感、呼吸苦、不安など)から収集した。 その結果、血圧・脈拍・SpO_2、POMS尺度(心理状態)、SRS18尺度(ストレス状態)において、1週間に1回の介入実践では統計的に有意差が見られなかった。しかし、聞き取り調査では、患者から「20分間集中できる」、「深呼吸が心身にとてもよいことがわかった」、「どこでも深呼吸ができることはよい」、「不安軽減やストレス軽減になる」などが聞けた。このことより、セルフケアとしてストレス対処や症状コントロールに役立つと考える。 平成24年度の本研究は、患者が自宅で毎日CDを1回以上使用し、それを2ヶ月継続してもらい、1ヶ月後、2ヶ月後に質問紙、聞き取り調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年度は、ストレスの多い看護師100名を対象に補完代替療法を実施したが、予定より4ヶ月間の期間延長をして終了することができた。その結果を踏まえて、平成23年度、24年度は外来がん患者200名を対象にセルフケアとしての補完代替療法を実施しており、初段階のパイロットスタデイを終了した。これから、本格的に外来がん患者に在宅でのセルフケアとして補完代替療法を行ってもらい、そのデータ収集と評価をしていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度から平成25年度前半にかけて、外来がん患者200名を対象に在宅でのセルフケアとして補完代替療法を行い、データ収集していく予定である。がん看護専門看護師のいる4箇所の病院で、外来通院しているがん患者を対象とする。平成25年度後半から、データ整理・分析・考察を行い、学会発表や論文作成などをしていく予定である。
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