研究目的は、第1に患者教育のための看護実践モデルである「看護の教育的関わりモデルver.6.1」を用いたアクション・リサーチを行い、モデルの適用、および看護職の患者教育に対する認知・態度・行動の変化とそのメカニズムを明らかにすることである。第2に「看護の教育的関わりモデルver.6.1」を構成する中心概念の1つである「生活者としての事実とその意味のわかち合い」を介入内容とした無作為化比較臨床介入研究を行ない、「看護の教育的関わりモデル」が、看護師および患者の意識および行動に変化をもたらすかどうかを明らかにする。 平成22年度は、第1部のアクションリサーチを駿河台日本医科大学病院)・名古屋(名古屋記念病院)・福岡(九州大学医学部附属病院)の3施設で実施し、24名のメンバーで分析した。結果は2011年7月にメキシコ、カンクンで開催されるthe 2nd World Academy of Nursing Science(WANS)に発表予定で、演題をアプライし、2演題採択された。 研究者の構成は大学所属研究者12名、専門看護師(慢性疾患看護)3名、認定看護師(糖尿病看護)1名、糖尿病療養指導士の資格を持つ看護部長・師長・主任各1名、患者教育を専門とし修士の学位を持つ臨床スタッフ2名)で行われた。月1回の全体会議と施設ごとの小グループ単位での検討を随時(おおよそ月1~2回)行なった。 第2部の臨床介入研究は、日本赤十字看護大学の研究倫理委員会の審査を受け、また厚生労働省推奨の世界保健機構による臨床研究登録(JPRN)を終えて、現在98名の対象者にベースライン調査を実施した。対象者を介入群・対照群に無作為に分け、介入を開始したが、介入は東北の大震災の計画停電などにより1年の計画から1.5年に延長が必要となった。
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