研究課題/領域番号 |
21251001
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
清水 真一 徳島文理大学, 文学部, 教授 (70359446)
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研究分担者 |
友田 正彦 東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 保存計画研究室長 (70392553)
高妻 洋成 奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 保存修復科学研究室長 (80234699)
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キーワード | 国際研究者交流 / ベトナム / 都城遺跡 / 遺跡保存 / 歴史学 / 考古学 / 建築史 / 保存科学 |
研究概要 |
1、考古学調査成果に基づく古代建築上部構造に関する研究 ホアンジエウ18番地遺跡における発掘調査を担当するベトナム社会科学院ベトナム都城研究センター(考古学院から分離独立)の協力を得て、建築物が現存しない李朝期から陳朝期にかけての宮殿建物を考察する手掛かりとして、ベトナム北部各地の博物館や文化財管理機関等に所蔵されている建築型土製品の悉皆調査を前年度に引き続いて実施し、資料台帳を作成した。 2、現存建築遺構に関する基礎的資料作成のための調査 タンロン皇城遺跡を管理するハノイ市タンロン遺産保存センター(ハノイ古城・コーロア遺跡保存センターを改称)の協力を得て、世界遺産の構成資産であって中軸地区に現存するフランス植民地期建築およびそれ以後に軍事施設として建設され建築群について、今後の保存および管理方針の検討に寄与するため、現状を正しく反映した基本図を作成した。 3、遺構保存方法検討のための基礎的研究 発掘された遺構の埋め戻しおよび展示活用についての検討のための基礎的データを得るために、一昨年度に引き続き、環境観測装置によるデータの収集と分析を行なった。 4、木製遺物保存方法検討のための基礎的研究 タンロン皇城遺跡出土遺物のうち、木製品の保存手法確立に資するため、ベトナム林業大学との協力のもと、ベトナム産木材の樹種同定や化学分析等に関する基礎的研究を行った。林業大学より2名の研究者を招へいし、タンロンで出土した木材の樹種特定のための実験についての検討と日本における処理事例の紹介をおこなった。招聘期間中は、日本木材学会にも出席し、出土木材の保存処理に関する情報共有をおこなった。また、ベトナム語で刊行されたタンロン皇城遺跡から出土した木材を分析した論文を翻訳し、その内容について検討した。
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