研究課題/領域番号 |
21251002
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
伊藤 健司 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (00176330)
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研究分担者 |
植田 直見 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10193806)
山田 卓司 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30435903)
大国 万希子 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, その他 (40250352)
木澤 直子 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50270773)
桃井 宏和 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50510153)
田中 由理 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (70611614)
山田 哲也 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80261212)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / 日韓比較研究 / 保存科学 / 保存処理後木製品 / 経年変化 / 保管環境 |
研究概要 |
出土木製品を公開・活用するためには、保存処理を実施することが不可欠であり、かつ保存処理後における「経年変化の確認」と「適切な保管環境」で半永久的に保存することが可能となる。本研究において日韓で比較研究を進めることにより、得られた情報を共有し、将来的に両国における情報交換を密にすることが可能となり、さらに本研究を継続しさらに深化させることが要望される。 本研究では、保存処理後木製品の1点1点の経年変化の実態を可能な限り細部まで把握したうえで変化の有無の要因を検討し、保管管理においては展示方法や資料の取扱いにまで踏込み、各機関の現状を把握したうえで、現実的な方法でより適切な保管環境の研究を進めていく。 このため、日韓の研究者が共同で行う本研究は、前提に研究成果を両国研究者が共有することが重要であり、韓国の各研究機関に調査依頼と保存処理の実情を把握し、協力が得られた機関に際しては、各機関で保存処理を行った木製品の保管機関での共同調査を行うことを目的にしている。 今年度の調査は、日本では長崎県壱岐市「原ノ辻遺跡」・東北芸術工科大学の処理施設、山形県「藤治屋敷跡」・「俵田遺跡」岩手県平泉町「平泉遺跡群、柳之御所跡」などを調査研究した。韓国では国立済州博物館、国立光州博物館、伽耶文化財研究所や釜山大学校博物館などの調査研究を、それぞれ日韓の研究分担者、協力者と合わせて調査研究を行った。 成果の一部として、昨年度調査した「真脇遺跡」を第29回日本文化財科学(京都大学)で『石川県「真脇縄文館」の展示・保管環境』、今年度調査した「原ノ辻遺跡」を第36回韓国文化財保存科学学会(釜山大学校)で『保存処理後木製品の保管環境』の課題で、日韓の研究分担者、協力者と共同でポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度(平成21年度)は、新型インプルエンザの流布の影響により両国研究者から申し出で現地調査を延期したが、22年度からは両国で本研究者らが調査地域と資料の重要性や特徴に鑑み、調査遺跡、研究機関や博物館などを決定し、順次実施している。 また、本研究者・協力者は、両国や中国での保存科学を中心とした研究会や学会に参加し、日本では「日本文化財科学会」、韓国では「韓国文化財保存科学会」を中心として積極的に成果の一部を発表している。また長崎県埋蔵文化財センターの紀要にも調査の成果を報告した。 さらに、平成25年度は春に弘前大学で開催される「第30回日本文化財科学会」、秋に韓国慶州で開催される「2013東アジア文化遺産保存交際シンポジウム」で発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も重要な木製品や特徴的な木製品のなどのほか、保存処理推進にとって画期的な木製品の調査を加え、その現状を調査検討し、今後の保存処理技術や保存処理方法の開発の一助とする。 なお、基本的には、両国の保存処理後木製品を中心に実見し、「経年変化の確認」と「適切な保管環境」の調査研究を推進していく。しかし調査対象機関からは木製品以外に対しても調査や意見を求められることが多いことから、時間の許す限り木製品以外の保存処理後遺物にも範囲を広げていく。
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