研究課題/領域番号 |
21251005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安藤 和雄 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (20283658)
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研究分担者 |
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10111981)
宇佐見 晃一 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (10203506)
鈴木 玲治 京都学園大学, バイオ環境学部, 准教授 (60378825)
大西 信弘 京都学園大学, バイオ環境学部, 准教授 (80378827)
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キーワード | ベンガル湾緑辺 / 在地のネットワーク / NGOと大学との国際連携 / 自然災害との共生 / バングラデシュ / ミャンマー / ブータン / 実践型地域研究 |
研究概要 |
本研究の目的は、アジアと日本共通の自然災害への対策、農村開発、環境問題と持続的発展をテーマにアクション・リサーチとして大学、研究機関、NGO、NPOなどの国際ネットワーク形成を国際ワークショップとPLA (Participatory Learning and Action:参加型学習と実践調査法)による構築していくことである。国内での研究打合会は、4月9日(前年度総括との本年度計画、研究活動の発信)、6月9日(日本での国際ワークショップとバングラデシュのサイクロン被災地であるハティア島での調査)、10月31日(活動報告と今後の活動計画、国際ワークショップ計画)に開催した。7月下旬から8月上旬にかけて、ラオス、ブータン、ミャンマーからの招へい研究者とともに、過疎、高齢化の問題にとりくむ農村開発事業に関するPLAを山口県阿武町周防大島町、京都府美山町でPLA実施した。招へい研究者らは7月19日には京都大学守山フィールドステーションの7月19日の定例研究会で発表し、本研究が共催した8月1~3日には山口県阿武町にて「文化と歴史そして生態を重視したもう一つの草の根の農村開発に関する国際会議」でも発表した。2月4,5日にはミャンマーからの留学生の発表をまじえ「第7回南アジアにおける自然環境と人間活動に関する研究集会-インド亜大陸東部・インドシナの自然災害と人間活動」を京都大学生存圏研究所(宇治市)で共催した。1月中旬には、バングラデシュにおいて、ミャンマーとバングラデシュのNGOの合同のサイクロン被災地に関するPLAを実施した。2月13,14日には上記の国々にタイ、インドネシア、カンボジアから他の事業と共同招へいして、ヤンゴンにてSharing Experience of Coping with Environmental Problem and Sustainable Developmentを開催し、2月15~19日にかけてイラワジデルタのサイクロンNargis被災地でPLAを実施した。2010年度の2つの国際会議International Workshop of Contemporary Changes in Environment and DevelopmentとIntegrated Study on Sustainable Agriculture and Rural Development : Towards Research and Educationの成果を前者は学会誌の特集号として、後者は図書として、バングラデシュとミャンマーの現地で出版した。気象観測は順調に計画が実施されている。Webサイトの運営は軌道にのったが、ニューズレターについてはいまだ定期発行に至っていない。継続課題となった。以上からH22年度計画はほぼ順調に実行されたと自己評価、総括できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際ネットワーキングのための、本プロジェクトの準備期間を終えてH22年度に国内2回、海外2回、H23年度には国内1回、海外1回の国際会議とPLAをそれぞれに実施することができた。そして、H23年度には、H22年度の国際会議の成果を学会誌の特集号と図書としてバングラデシュとミャンマーで他の事業とともに共同して出版することができた。プロジェクトのニューズレターはいまだ軌道にのっていまいが、それを補うWebサイトを立ち上げることできた。またH23年度に国内で実施された国際会議についてはすでに他の事業との共同で出版されている。以上から、具体的な国際ネットワーキングと学術的な発信がワークショップとPLAがセットになったアクションリサーチとして概ね順調に展開していると自己評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
<今後の推進方策>H24年度には日本国内と連携を持たせるために、過疎化、離農、遠隔地・中山間地の農村開発発、高潮や津波の問題を、テーマにして、国内とブータン、バングラデシュなどで国際会議を今後開催する。H25年度には本研究の最終的な成果発表を国際会議により行い、一層のネットワーキング化行う予定である。<計画の変更と問題点>研究内容は計画初期には、自然災害とその対応が中心であったが、本研究活動の前半の成果にもとづき、自然災害に加えて村落の生存基盤という視点を加味して農村開発や農業開発の課題を国際会議にテーマに加え、研究者のネットワークへの参加を広げた。計画初期のカウンターパートに加え新たに日本と類似性の高いブータンのSherutse大学がメンバーとなった。またネットワーキングのためにはカウンターパート国に限らず他の事業と連携して積極的に外国人の招へいを行う。最終年の国際会議はH24年度の国際会議でアッサムから他国に変更予定。実践計画につなげるために、自然災害とその対応については調査をバングラデシュに限定して行う。
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