研究課題/領域番号 |
21251010
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
松藤 和人 同志社大学, 文学部, 教授 (90288598)
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研究分担者 |
加藤 真二 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 研究員 (20261125)
林田 明 同志社大学, 理工学部, 教授 (30164974)
渡辺 満久 東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | レス-古土壌 / 海洋酸素同位体比編年 / 中期旧石器 / 侯家窰遺跡 / 萬水里遺跡 / 砂原遺跡 / 日本最古の遺跡 |
研究概要 |
前年度に引き続き,中国侯家窰遺跡のフィールド調査,韓国萬水里遺跡および中国侯家窰・西白馬営遺跡出土の旧石器資料調査を実施した。萬水里遺跡の中核をなす石器群は海洋酸素同位体比ステージに連動したレス-古土壌編年に照らして年代をステージ5c-eに限定でき,収集データは厳密な石器型式学にもとづいて定性・定量的に分析され、朝鮮半島の当該期の基準資料を提供する。またステージ4に形成されたとみられる侯家窰遺跡についても萬水里と同様な分類基準でデータを収集し,定性・定量分析を実施した。 両遺跡の石器群を他の同時期の石器群と比較検討した結果,これらは朝鮮半島ならびに中国北部における当該期の普遍的な様相を反映していることが証明された。すなわち小型の鋸歯縁石器,嘴状石器,抉入石器を主な器種組成とする文化伝統(鋸歯縁石器群)が東北アジア地域にひろがっていた事実が確認される。これらはホモ・サピエンスの拡散と連動した後期旧石器文化の出現に先立つ東北アジアの中期旧石器文化の実態を反映する基準資料としての意義をもつ。一連の研究から東北アジアの鋸歯縁石器群とヨーロッパ中期旧石器時代の鋸歯縁石器ムステリアンとの文化的関連が新たに浮かび上がってきた。 2012年秋には,4年間の国際共同研究の成果を公表する公開国際シンポジウムを同志社大学で開催し,5カ国から招聘した専門研究者を交え活発な討議をおこなった。また年度末には、研究成果報告書(総297頁)を刊行した。なお本報告書には、2009年度に発掘調査を実施した島根県出雲市砂原遺跡の研究報告を収録した。砂原遺跡は日本列島では珍しく古土壌が発達し,石器群が残された生活面のミクロな堆積環境の復原とあいまって、綿密な地質・地形学研究によって12、11万年前に遡る日本最古の遺跡として注目され,日本列島における人類文化の遡源を探るうえできわめて重要な遺跡である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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