研究課題/領域番号 |
21251012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉島 敬志 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80196724)
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研究分担者 |
加藤 剛 龍谷大学, 社会学部, 教授 (60127066)
中村 潔 新潟大学, 人文社会・教育学系, 教授 (60217841)
多和田 裕司 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (00253625)
綾部 真雄 首都大学東京, 東京・人文科学研究科, 准教授 (40307111)
片岡 樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (10513517)
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キーワード | フィールドワーク / 民族誌 / 文化人類学 / 複ゲーム状況 / 理論 / インドネシア:フィリピン:タイ:マレーシア |
研究概要 |
本研究は、東南アジア諸地域を対象とするフィールド調査と民族誌研究にもとづき、過去のさまざまな経緯に由来し、現在に累積する多様で雑多な規範や信念がどのような関係にあるかを、「複ゲーム状況」(相反する規範や信念が同時並行的に作用する事態)に焦点をあてながら明らかにすることを目的とする。 この目的を達成するために、研究代表者と研究分担者は、あらかじめ計画してあったインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、台湾における調査地で数週間にわたり、複ゲーム状況と関連する所定のテーマでフィールドワークをおこなった。 その後、この調査からえられた情報や知識を共有し、理解を深めるために、京都大学において5回の共同研究会を実施し、調査の成果を発表するとともに、「複ゲーム状況」の概念と関連づけながら、調査資料を理解する方向性について議論をおこなった。 本研究では、東南アジア諸地域におけるフィールド調査をとおして、「複ゲーム状況」に関する具体的データの蓄積をはかる。しかし、本研究の意義は、こうした実証的な民族誌研究だけにあるのではなく、この作業をとおして、文化,社会、民族、地域などの空間的な境界をもつ体系や構造の概念にもとづいて定立されてきた、人類学的理解や研究対象のイメージを変容させ、それに見合う人類学の次世代型概念ツールを開発することにある。
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