研究課題
最終年度である本年度は、(1)まとめに向けたメンバー間の究明・研究の体系的成果の共有と深化を進めると共に、(2)本研究を通じて形成した国際的な研究ネットワーク、具体的には韓国の世宗研究所、釜山外国語大学孫キソプ教授、台北大学との継続的研究連携強化の体制づくりに努力した。加えて、国内の地方分権政策に伴う大都市制度議論の台頭に伴い、大都市・非都市間の税配分・財政調整に関する議論に資する研究会を展開し、国内の政策形成に研究成果をフィードバックする取り組みを行った。具体的には、2011年7月に北大で台北大学との国際シンポジュームを開催し、台北大学張四明教授、蘇建栄教授、張育哲専任副教授を招聘、研究メンバーと行政体系・財政調整のあり方に関しての議論を展開した。また、7月以降、中京都構想の中核である名古屋市との研究会を定期的に開催し、台湾の直轄市制度、韓国の広域市等の研究を行い日本の政令指定都市制度の改革議論に研究成果のフィードバックを行った。さらに、財政危機が深まったEU関係では、遠藤が財政を含めた主権の現状と理論の整理等を行い、石井・木村はフランス等の財政制度のまとめに向けた検証を実施、山崎は政府間財政調整に関するまとめの現地調査を行い、若松と共にイギリス研究の総括を行った。本研究では海外の政府間財政調整制度だけでなく、合意形成過程に焦点をあてて調査研究を行うこと、そして、わが国の地方分権改革への示唆を得ることを目的としてきた。以上のように最終年度として国際シンポジュームの開催、台湾の財政調整制度改革議論の政治過程の検証、EU財政危機と政策議論の検証、大都市制度議論への研究成果の反映等を行い最終的な目的の達成に努めてきた。今後の研究活動においては、形成した国際的な連携基盤、国内の政策議論ネットワークを一層活用し、本研究成果を広く問いかけさらなる質的向上に努力していく。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)
外交
巻: 11号 ページ: 107-114
国際関係論叢
巻: 40巻909号 ページ: 45-72
Hokkaido Law Review
巻: Vol62,No6 ページ: 191-208
地方財務
巻: 685号 ページ: 8-25
法哲学年報
巻: 2,010 ページ: 87-99