研究分担者 |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30182041)
蓬田 清 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70230844)
中尾 茂 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (90237214)
谷岡 勇市郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40354526)
吉本 充宏 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (20334287)
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研究概要 |
本年は研究初年度のため,ロシア科学アカデミーのサハリン地震観測所・海洋地質学地球物理研究所・テクトニクス地球物理研究所・応用数学研究所・国立極東大学・極東地質学研究所を訪問して,共同研究を開始するのに必要な覚書の作成および研究打合せを行った.これを受けて,以前から行ってきた8箇所の広帯域地震観測網,および10点からなるサハリン南部地震観測網の継続的運用の合意ができるとともに,それらから得られる地震波形データの収集作業を実施してデータベースをさらに充実することができた. 地震観測では,我々が展開していた地震観測網の中で発生した2006年サハリン南西沖地震の前震・本震・余震の読み取り作業を完了させるとともに,詳細な震源決定を1次元速度構造を推定することにより行い,本震近くで発生した前震による応力変化量との関係を考慮することで,その発生メカニズムと本震・余震の関連性について明らかにすることができた.また,将来,大地震の発生が予測されているサハリン南部に強震計を設置し,震源メカニズムに必要な近地の大加速度地震動記録を振り切れることなく取得できるような観測体制を整えた.広帯域地震観測網により取得された表面波データを用いた日本海およびオホーツク海地域のS波トモグラフィを実施して,沈みこんだ太平洋プレートをはじめとする上部マントルやリソスフェアの詳細な構造を明瞭にイメージングすることに成功した. 地殻変動の分野では,サハリン南部を東西に横断する測線の17箇所においてGPS観測を実施した.この付近ではアムールプレートの東西収束が想定されており2年後に2回目の観測を行うことでその詳細な変形場が明らかになることが期待できる.また,沿海州地域においてGPS観測点の選定を行い,変動が予想されるシホテリアン断層およびハンカ湖付近での観測を来年度行うべく事前準備作業を実施した.
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