研究分担者 |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30182041)
蓬田 清 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70230844)
中尾 茂 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (90237214)
谷岡 勇市郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40354526)
吉澤 和範 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70344463)
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研究概要 |
昨年度予定していたものの,東日本大震災の発生のために延期した外国人研究共同研究者の招聘を実施した.招聘を行ったのはロシア科学アカデミー極東支部火山地震研究所のEvgeny Gordeev所長およびMuravyev Yarosrav副所長である.まずはじめに,共同研究を進める上での推進体制について検討を行った.Gordeev所長はロシア科学アカデミー会員であり,ロシア科学アカデミーとして本研究のいっそうの推進を進めたいと考えている旨発言があった.本研究はロシア科学アカデミー副総裁と北海道大学との間の覚書にそって推進される体制となっており,上記の発言はこれを再確認するとともに,これまでの研究がロシア側からみても順調に進捗していることを示すものである. 引き続き,研究実務についての打ち合わせを鹿児島大学の研究分担者を交えて実施した.この中では,2011年3月11日東北地方太平洋沖地震によって,ロシア極東地域においても広範囲な地殻変動が観測されたことが議題となった.本研究により設置されているGPS観測網のうち,ウラジオストクでは約4cmの水平変動が観測されたほか,約1.5cmにもおよぶ余効変動が観測されたこと明らかにされた.また,この変動データから地震のモーメントマグニチュードを推定したところ8.8が得られた.これは,津波警報を発令するのに充分な精度であり,遠地地殻変動のデータが早期津波警報に活用できる可能性を示す結果である.また,本研究で設置している広帯域地震観測網でもこの地震をもれなく記録していることが確認された.
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