研究分担者 |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 教授 (00183385)
飯高 隆 東京大学, 地震研究所, 准教授 (00221747)
蔵下 英司 東京大学, 地震研究所, 助教 (00302620)
宮内 崇裕 千葉大学, 理学研究科, 教授 (00212241)
石山 達也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90356452)
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研究概要 |
沈み込み帯上面に形成される巨大衝上断層(メガスラスト)の特性を理解することは,海溝型の巨大地震に伴う地震災害を予測する上で極めて重要である。本研究では,関東平野と類似した地質学的環境にあるニュージーランド北島南部で,大規模構造探査を国際共同研究の枠組みの中で実施し,断層面上での反射率に代表される物理特性が地震発生や地殻変動に及ぼす影響を明らかにするものである. 本年度は,まず10月に日本側研究者がニュージーランドGNSを訪れ,同研究所の研究者と沈みこみ帯のこれまでの研究成果を紹介し合った.これにより,日本とニュージーランドの沈み込み帯の共通性と相違点が明確になり,本研究のターゲットを鮮明にすることができた.この打ち合わせで,特に海域構造探査の重要性が指摘され,日本側に海底地震計貸与の協力要請があったが,経費的な面でその実現が危ぶまれていた.この打ち合わせの後に本研究の制御震源探査実験の予定陸上測線の巡検を実施し,その地質学的特徴を理解するとともに,その実施に伴う問題点等を話し合った. 3月に,ニュージーランド側が,急遽政府の補助を得て海域探査を実施することとなった.上述の通り,海域探査はニュージーランド北島の沈み込み帯の理解に不可欠である.この海域探査実施のため,当該年度に実施予定の陸域探査を平成22年度に順延し,海域探査の為に,日本側は海底地震計を20台現地に発送,新たな日本側研究協力者を派遣し,海域測線に海底地震計を設置した. この海域探査の実現及び平成22年度以降に実施予定の陸域探査と合わせ,北島の沈み込み帯の構造が,海溝軸から島弧を経て背弧側まで解明されることとなり,その意義は極めて大きい.
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