研究課題
2010 年に行われた海域部探査の解析では,北島東側海域下の沈み込み帯上盤側構造及び下に沈み込む厚さ12.5km に及ぶHikurangi 海台の地震波速度構造の詳細を求めた.その結果,Hikurangi 海台は平均的海洋性地殻の構造を~1.8 倍厚く,また同時に形成したと考えられているOnton Java 海台をおよそ半分に薄くした構造をしていることが明らかとなった.またHikurangi 海台の地殻上には隣接するChatham Rise 上の堆積層が沈み込み方向に薄くなるような楔形上に存在し,海底面から少なくとも8 km の深さまでHikuranngi 海台とともに沈み込んでいることが分かった.更に,海台下の上部マントルの見かけ速度が~9km/sと異常に速いことを示唆する結果を得た.2011年にWellington-Wairarapa 地域下のプレート沈み込み構造及び断層構造解明のための陸域制御震源地震探査が行われた.日本側から270 台の観測機材を持ち込み,約80km の測線上に合計872 点の観測点を50-100m 間隔に設置し,12 のダイナマイトショットを記録した.得られた記録は良好で,初動は測線全体にわたって確認でき,地殻内及びプレート境界域からの反射波も観測されている.プレート境界域からの反射波は,特にプレート間の固着が弱くなる測線西側で顕著に確認できる.このデータに散乱法解析を適応し,探査測線下の不均質構造のイメージングを試みた.得られた結果からは, Tararua山脈下の深さ5-20㎞には,Wairarapa断層に対応すると解釈できる西傾斜の散乱体分布が,深さ20-25kmには,沈み込む太平洋プレート上面に対応すると解釈できる西傾斜の散乱体分布が,それぞれ明瞭に確認することができる.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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