研究課題
昨年までの成果に基づき、今年度は、人的な影響をそれほど強く受けていないと判断されるカンボジア西部のバッタンバン地域での調査を継続して実施した。特に、今年度は、昨年度までに50m程度の深度までのボーリング掘削を行った地点と、バッタンバン市内の2か所を対象とし、電気探査法による地下比抵抗一次元探査に加え、地下比抵抗二次元分布の評価を実施した。バッタンバン市内においては、複数の地下比抵抗二次元分布計測を様々な方向に測線を置くことにより計測し、地下の疑似的な三次元構造の把握に努めた。また、バッタンバン市東部にある埋積された三日月湖の地点においても電気探査法をによる計測を実施し、砂層ならびに泥層の分布形態の検討を実施した。その結果、埋積された三日月湖の地点以外では、地下比抵抗構造が極めて均質であり、また、その値が小さいことから、厚い泥層がバッタンバン市内に広く分布していることが示された。この結果は、昨年までの河川調査の結果と整合的であり、バッタンバン市街地においては、地下水と河川水の交換は限定的である可能性が高いことが複数のアプローチから示されたことになる。これらの結果は、バッタンバン市における地下水開発が今までそれほど進んでこなかったことの理由の一つを示すものととらえることが可能であり、本研究の初期に行っていたシエムリアップ地域との地下地質分布の違いとも関連するものとして今後さらに議論することが望ましいと考えている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Exploration Geophysics
巻: (in press)
10.1071/EG14011