研究課題
世界で唯一、湖底にメタンハイドレートを産する淡水湖「バイカル湖」は、ハイドレート包有ガスの組成および起源が採取場所により異なり、さらに、生成ハイドレートの結晶構造も変化するという複雑な多様性を有することが明らかにされている。本研究は、こうした多様性をもつバイカル湖表層メタンハイドレートの生成メカニズムの解明を目指している。本年度は、ロシア科学アカデミーシベリア支部陸水学研究所(グラチェフ所長)と共同で、ロシア調査船ベレシャーギン号を用いて2012年7月14日~28日にバイカル湖北湖盆、中央湖盆および南湖盆においてフィールド調査を行った。これまでに得られた音波探査(サイドスキャンソナー探査、マルチビームプロファイラー探査、地震探査等)データを参照しつつ、音響探査を実施しながら、選定された表層ハイドレートの生成候補地点等で重力コアラー、ベントスコアラー、グラブ等による試料採取を行った。合計約158m長の湖底堆積物表層コアを採取し、5つの新しいサイトからガスハイドレートを回収した。本調査中の採取コアのうち、ガスハイドレートを含むコアは、合計17本であった。現場では、コア採取後直ちにコア層位が観察され、ヘッドスペース法によりガスサンプルが、スクウィーザーおよび遠心分離器を用いて間隙水サンプルが収集された。調査船に搬入したガスクロマトグラフ測定装置を用いた現場解析からは、メタンハイドレート包有ガスおよび堆積物間隙水溶存ガスの組成が明らかになり、北湖盆の湖岸温泉水からも溶存ガス濃度が得られた。フィールド調査後の研究室内コア解析については、北見工業大学環境・エネルギー研究推進センター等において、主として堆積物間隙水の化学分析と、間隙水溶存ガスの組成および同位体解析等が行われた。得られた成果を総括するために平成25年1月に北見で国際ワークショップを開催し、成果報告書に纏めて発行した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geo-Marine Letters
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