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2010 年度 実績報告書

超長大水系フブスグル-バイカル-エニセイ流域における物質動態と生態遷移

研究課題

研究課題/領域番号 21255002
研究機関京都大学

研究代表者

杉山 雅人  京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10179179)

キーワードフブスグル湖 / バイカル湖 / エニセイ川 / 物質動態 / 生態遷移
研究概要

平成22年7月9日から28日にかけてロシアに渡航し、フブスグル-バイカル-エニセイ流域の上中流域に位置するロシア領内セレンガ川(14地点)、バイカル湖(3地点)の物理・化学・生物総合観測を行った。また、8月6日から20日にかけてモンゴルに渡航し、エギン川(7地点)、モンゴル領内セレンガ川(6地点)で同様の調査を行った。その結果、次のことが明らかになった。
フブスグル湖南部で水中に析出した炭酸カルシウムはエギン川上流で標高が低くなることで溶解した。この溶解により、エギン川上流では水の流下に従い硬度が上昇した。その後、エギン川合流前のセレンガ川とオルホン川の希釈効果を受けて硬度が減少した。また、オルホン川と混合する際、懸濁態元素の組成が大きく変化した
オルホン川が混合して以降、水中の懸濁態元素組成はバイカル湖に至るまで、ほとんど変わらなかった。つまりオルホン川がフブスグル湖水を含んだセレンガ川に大きな影響を与えていることを示していた。ロシア国内セレンガ川では、各支流河川の中でチコイ川の影響を強く受けて、硬水が稀釈されていた。
石灰岩起源の河川水に多く合まれる溶存態アルカリニテイー、Ba、Ca、Mgは水の流下に伴い減少し、特にエギン川下流の河口域ではその減少傾向は大きかった。またその地点では懸濁態元素の中で最も高い割合を占めていたCaがアルミノケイ酸塩を起源とするAlより低くなった。このことは、エギン川河口域において石灰岩地質より火成岩地質の寄与が強まったことを示していた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Nutrient and Chl. a distributions in surface waters of Lake Baikal before and after the thermal stratification development.2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Satoh, M.Sugiyama, ら
    • 雑誌名

      Bull.Yamagata Univ., Nat.Sci.

      巻: 17 ページ: 7-17

    • 査読あり
  • [学会発表] フブスグルーバイカル流域における物質の化学動態2011

    • 著者名/発表者名
      村田貴拓, 杉山雅人, ら
    • 学会等名
      日本陸水学会近畿支部会第22回研究発表会
    • 発表場所
      瑞宝園(神戸市)
    • 年月日
      2011-02-27
  • [学会発表] フブスグル湖における物質の化学動態2010

    • 著者名/発表者名
      村田貴拓, 杉山雅人, ら
    • 学会等名
      日本陸水学会第75回大会
    • 発表場所
      弘前大学文京町キャンパス
    • 年月日
      2010-09-18
  • [学会発表] 水中懸濁粒子中の多元素を同時に測る2010

    • 著者名/発表者名
      杉山雅人
    • 学会等名
      日本分析化学会第59年会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(招待講演)
    • 年月日
      2010-09-16
  • [学会発表] 超長大水系フブスグルーバイカルーエニセイ流域での物質動態2010

    • 著者名/発表者名
      杉山雅人
    • 学会等名
      第71回分析化学討論会
    • 発表場所
      島根大学松江キャンパス(招待講演)
    • 年月日
      2010-05-15

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公開日: 2012-07-19  

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