研究課題/領域番号 |
21255005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
諏訪 元 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (50206596)
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研究分担者 |
加藤 茂弘 兵庫県立人と自然の博物館, 自然環境評価研究部, 主任研究員 (50301809)
仲谷 英夫 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (20180424)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
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キーワード | 初期人類化石 / 類人猿化石 / 人類進化 / 古環境 / エチオピア |
研究概要 |
本研究では、エチオピアにおける古人類学調査を機軸に、人類の起源からホモ属にいたる進化について、従来仮説を検証すると共に、新規諸仮説の創生を目的としている。特にアフリカ類人猿と人類の系統それぞれの起源、アルディピテクス・ラミダス等最初期の人類の進化様式、初期ホモ・エレクトスごろまでの人類進化と古環境変遷を主焦点とし、現地調査とその後の標本資料の比較分析を進めている。本年度は、昨年度の成果を受け、地質資料と古生物標本の評価分析を進め、野外調査をさらに実施した。コンソ(200万~130万年前)調査関連では8年ぶりに現地調査を実施し、主要2地点における浸食と開発の影響を確認すると共に、従来コレクションを補完する目的で、系統だった動物化石と初期アシュール型石器の収集に従事した。同時に火山灰資料を採集し、昨年度分と共に分析を進め、新規調査地点の層序と年代を確定した。また、200万年前以後の古環境変動と動物相変遷に関する仮説検証のため、エナメル質の同位体組成調査を実施し、形態学的手法による諸解析と合わせて分析している。チョローラ(1000万年前)調査関連では、まずは昨年度の地質資料の分析を進めたところ、従来の年代仮説と異なる分析結果を得た。そこで、この新たな年代仮説を検証する目的で野外調査を企画実施した。露頭調査はおおむね新仮説を支持する結果であり、今回採集した地質資料の今後の分析により最終検証する。同時に大型類人猿化石発見地点の発掘調査を拡張し、従来得られていた標本以上に特徴的な類人猿歯牙化石標本若干数を得ることができた。これらは、現生アフリカ類人猿ならびに人類起源期の進化仮説に関わる世界的に注目度の高いものである。これらの化石資料は、全てエチオピア国立博物館に収蔵され、比較研究とキュラトリアルワークは同館で行っている。
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