研究課題/領域番号 |
21255006
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
五百部 裕 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (20252413)
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研究分担者 |
古市 剛史 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (20212194)
橋本 千絵 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (40379011)
清水 大輔 日本モンキーセンター, 研究員 (60432332)
田代 靖子 株式会社林原生物化学研究所類人猿研究センター, 研究員 (60379013)
辻 大和 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70533595)
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キーワード | コロブス / グエノン / 採食生態 / 形態学的解析 / 進化 / 種間比較 / 国際研究者交流 / ウガンダ:タンザニア:コンゴ民主共和国 |
研究概要 |
ウガンダ共和国カリンズ森林では、おもにブルーモンキーとロエストモンキーの採食生態に関する現地調査を行った。それぞれの種を群れ単位で追跡し、スキャニング法を用いて、利用する食物種とその部位、森林のどの高さを利用するかといった資料を収集した。そしてこれらの資料を継続して収集できる体制を整えた。また2010年1月にはブルーモンキーの遊動域内の植生調査を行った。行動観察を行った群れの行動圏を50m×50mのグリッドに区切り、それぞれのグリッド内のすべての高木の位置をGPSで記録するとともに樹間のサイズを評価した。さらに、購入した硬度計を現地に持参し、カリンズ森林に生息するオナガザル科霊長類4種(アカオザル、アオザル、ロエストモンキー、アビシニアコロブス)の採食物の破壊靭性を定量化し種間比較を行った。 コンゴ民主共和国ワンバ地区では、オナガザル科霊長類との採食競合を明らかにするために、ボノボの行動と採食品目等に関する資料を収集した。また、森林の果実生産量と季節変化等を調べるため、25kmのライントランセクトを設け、月2回の落果実センサスを行った。さらに、より広域のオナガザル科霊長類の分布と密度の推定を行うため、ボノボの複数集団の遊動域をカバーする範囲で、センサスルートの設定にとりかかった。 オナガザル科霊長類の頭骨や歯の形態学的解析のため、ベルギー王立中央博物館において、カリンズに生息する4種のオナガザル科霊長類の大臼歯の3次元計測のための歯型取りを行った。現在、取得した歯型をもとに京都大学大学院理学研究科自然人類学研究室所蔵のマイクロCTを用いて3次元データの取得を進めている。また同博物館に保存されているこれら4種の資料を利用し、頭骨の種間差を3次元数理的に解析し、食性変異と形態変異の関連について検討した。
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