研究課題/領域番号 |
21255011
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒木 茂 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (00158734)
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研究分担者 |
北畠 直文 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (30135610)
舟川 晋也 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (20244577)
木村 亮 京都大学, 産学連携本部, 教授 (30177927)
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キーワード | アフリカ農村開発 / キャッサバ小農生産 / 土のう畑地造成 / 土壌養分動態 / 貧困消減 |
研究概要 |
8月12日から22日にかけて、荒木、稲泉、カメルーン共同研究者3名がナイジェリアのキャッサバ生産、加工、販売の現状視察を行なった結果、当地ではガリとよばれる加熱乾燥キャッサバ顆粒が広く流通しており、農家レベルでも生産規模に応じたさまざまな加工器械、施設が備えられていることが明らかとなった。同時に、ナイジェリアでは、加工施設のキャパシティに見合ったキャッサバの生産が達成されておらず、それが大規模な耕地拡大への誘引となっていることが判明した。これらの諸点は、カメルーン東部州においてキャッサバの持続的な生産を図る上で大きな示唆を与えた。 8月24日から9月3日にかけて、荒木、稲泉、木村はカメルーン共同研究者1名と東部州ベルトア周辺およびAndom村において、キャッサバの加工、販売、流通の現況調査を行なった。その結果、現在路上販売をしている、乾燥キャッサバ顆粒(フフ)の流通は限られており、例えばキャッサバ粉の製粉と地方都市ベルトアを結合させた需要の喚起の可能性が考えられた。一部の業者は20%のキャッサバ粉を混ぜてパンの製造を行なっていた。 2月から3月にかけて、荒木、舟川、福林(研究協力者)がAndom村において、以下の試験区設定を行なった。(1)森林とサバンナにおいて、自然植生区と新たに開墾した畑区に土壌・気象観測装置を設置し、データロガーによる土壌水分・気象観測、土壌溶液の経時的採取、リタ-トラップによる落枝葉の採集を開始した。4月より毎月の試料採取を行なう予定である。(2)試験圃場を3地点(合計2.5ha)設け、それぞれに土壌流亡試験区、キャッサバ品種生育試験区、土のう設定区を設けた。これにより、土のうと改良キャッサバ品種の導入が、生産性の増大にどの程度寄与するかの定量的データを得る体制が整備された。1年後のキャッサバ収量調査に向けて、来年度は、チャン大学の大学院生による生育調査、簡易キャッサバ加工器械の導入を計画している。
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