研究課題/領域番号 |
21256005
|
研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
奥宮 清人 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (20253346)
|
研究分担者 |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
葛原 茂樹 国立精神・神経センター, 病院, 院長 (70111383)
小久保 康昌 三重大学, 医学(系)医学科(研究院), 講師 (60263000)
和田 泰三 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (90378646)
瀬口 春道 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (90030866)
|
キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソン症候群 / 西ニューギニア地域 |
研究概要 |
インドネシア、パプア州、マッピ、エデラ川沿いの村、バデ、Ia河流域の村で調査し、運動ニューロン疾患4人と、パーキンソン症候群6人、運動ニューロン疾患とパーキンソン症候群の合併2人を新しく診断し得た。フォローアップによる死亡者は運動ニューロン疾患の2人であった。生存中の4人の運動ニューロン疾患、1人の運動ニューロン疾患とパーキンソン症候群の合併例と、3人のパーキンソン症候群をフォローアップした。これまでのパプアの神経難病の症例を病型より分類した。1.運動ニューロン疾患25人、そのうち上位運動ニューロン障害のみ6人、下位運動ニューロン疾患2人、筋萎縮性側索硬化症(probable-definite ALS:12人,possible ALS:3人(家族例ありは8人)、認知症を合併する筋萎縮性側索硬化症2人であった。2.パーキンソニズム・痴呆複合とALSの合併例が2人、3.パーキンソニズムとALSの合併例が4人、4.パーキンソニズムと上位運動ニューロン障害の合併例が7人、5.パーキンソニズム・痴呆複合が3人、6)パーキンソン症候群のみが11人であった。以上より、西ニューギニア地域の神経難病は、現在も多発しており、また、パーキンソニズムと運動ニューロン疾患と認知症のさまざまな組み合わせの臨床型を示し、個人内で経過中にパーキンソニズムにALSの合併の進展を認めたり、家族内発症をみたことより、紀伊やグアムの神経難病と類似の病態である可能性が高くなった。上記52症例のうち、特に特徴的な症例として、probable-definite ALS、ALSとパーキンソニズム合併例、認知症の合併例をとりあげると、30症例を認めた。上位運動ニューロン障害のみの症例も、ALSとの間で家族歴があったり、経過中にALSに進展する症例を認めたことより、同一の疾患単位の一臨床型の可能性が認識された。
|