研究概要 |
1.送信者と受信者の間にn本のチャネルが存在し、敵は高々t本しか盗聴・改ざんできない、というモデルにおいて、鍵が不要でかつ無条件に安全な暗号伝送方式に関し、CANS 2010という国際会議において、招待講演を行った。 2.(n=2t+1本のチャンネル中t本しか盗聴・改ざんできない敵を一般化した)非閾値的なQ2という敵のモデルに対し、almost secureな方式を1 roundで初めて構成した。この成果は、ACNS 2011という国際会議に採択された。 3.上記の問題と関連が深い非閾値的な敵に対するverifiable secret sharing (VSS)schemesについて、以下を示した。2 round VSSが存在する必要十分条件は、敵構造がQ4を満たすときである。3 round VSSが存在する必要十分条件は、敵構造がQ3を満たすときである。さらに、提案する方式の特殊な場合として、n=3t+1を満たす閾値的な敵に対し、従来より効率のよい3 round VSSが構成できることを示した。この成果は、ICITS 2011という国際会議に採択された。 4.以下の論文が、IEEE Transactions on Infomation TheoryというJournalに採択された。Kaoru Kurosawa,General Error Decodable Secret Sharing Scheme and Its Application.この論文では、敵が盗聴・改ざんできるチャネルの部分集合の族(敵構造と呼ばれる)がQ3という条件を満たす場合に対し、多項式時間で動作する1ラウンドの無条件安全メッセージ伝送方式を示している。
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