研究概要 |
1. 組合せ剛性理論において有名なLamanの定理の拡張を行った. Lamanの定理とは2次元フレームワークの一般剛性を組合せ論的に特徴付けする定理であり,それを基礎として導かれる組合せ的剛性判定アルゴリズムは幅広い分野において応用がなされている.我々は工学的知見に基づきLamanの定理が適用可能なモデルの拡張を図った.特に,外部環境からの拘束を考慮したモデルにおいて,外部拘束が幾何学的に縮退している場合においても,フレームワーク全体の剛性を組合せ論的に議論できることを証明し,Lamanの定理の拡張に成功した 2. 避難計画問題の研究に関して本年度は,昨年度得られた普遍的最速フロー問題に対する知見を用いて,現実的なデータを用いた実験,およびこれまでの問題では扱うことができなかった避難所に容量がある場合を扱うことのできるモデルの構築およびアルゴリズムの開発,そして現実的なデータへの適用を行った.具体的には普遍的最速フロー問題に関しては徳島市沖洲地区に関するデータへの手法の適用,そして避難所に容量がある場合に関しては,普遍的最速フローが存在するとは限らないことを証明し、それに類した前方時間優先最速フローを提案し、それを求める時間拡大ネットワークを用いたアルゴリズムの開発をおこなうとともに,普遍的最速フロー問題と同様徳島布沖洲地区への適用を行った.その結果、前方時間優先最速フローの有効性を確認した。
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